P08. DNA/ポリアミノ酸複合体の調製とスキャホールド材への応用

DNAはきわめてユニークな機能を持つ高分子素材であり, カチオン性高分子と静電気的に結合して複合体を形成することができる. 我々はポリカチオンであるキトサンをDNAと反応させたDNA/キトサン複合体が, 生体材料素材として優れた特性を有することを見いだした. これらの知見を元に今回はDNAとポリアミノ酸(ポリリジン, ポリアルギニンおよびポリヒスチジン)を反応させた複合体を調製してその基本性質を評価した. 調製したDNA複合体は凍結乾燥することによって水不溶性な多孔質体となり, 水との混和物をモールドに填入し, PBSでリンスすることによって任意形態にモールド成形が可能であった. マウスの線維...

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Veröffentlicht in:日本再生歯科医学会誌 2008, Vol.6 (1), p.57-57
Hauptverfasser: 川口稔, 福島忠男, 大野純, 山崎純, 井上勇介, 早川徹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:DNAはきわめてユニークな機能を持つ高分子素材であり, カチオン性高分子と静電気的に結合して複合体を形成することができる. 我々はポリカチオンであるキトサンをDNAと反応させたDNA/キトサン複合体が, 生体材料素材として優れた特性を有することを見いだした. これらの知見を元に今回はDNAとポリアミノ酸(ポリリジン, ポリアルギニンおよびポリヒスチジン)を反応させた複合体を調製してその基本性質を評価した. 調製したDNA複合体は凍結乾燥することによって水不溶性な多孔質体となり, 水との混和物をモールドに填入し, PBSでリンスすることによって任意形態にモールド成形が可能であった. マウスの線維芽細胞を用いた細胞毒性試験では, DNA/ヒスチジン複合体が中程度の細胞毒性を示したものの, DNA/ポリリジンおよびDNAノポリアルギニン複合体は軽微な細胞毒性しか認められなかった. またラット皮下に埋入した組織反応性試験からは, 軽度な急性炎症反応は認められるものの, その後の組織為害性は認められなかった. これらの結果から, 新規に調製したDNA/ポリアミノ酸複合体は再生医療用スキャホールド材料として有用な材料であることが示唆された.
ISSN:1348-9615