P10. 三次元的配向骨基質の構築

目的 骨基質は, 石灰化における無機質の配向を決定づけることが知られている. In vitroでの骨組織構築を達成するにあたり, 基質の配向を三次元的に制御することは重要である. 本研究ではゲルを用いた培養系を構築し, ゲル内細胞の配向・機能制御を行うことによる骨基質構築ついて検討した. 方法 MC3T3-E1(マウス由来骨芽細胞様細胞)を含むフィブリノーゲン溶液とトロンビン溶液の混合溶液をシリコーンモールド中に流し込み, ゲル化させることで細胞含有フィブリンゲルを得た. このゲルをカスタムメードのゲル伸展装置により異なる伸展割合にて保持し, 一定期間培養した試料における骨芽細胞の細胞形態,...

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Veröffentlicht in:日本再生歯科医学会誌 2007-12, Vol.5 (1), p.58-58
Hauptverfasser: 佐々木淳一, 松本卓也, 江草宏, 荘村泰治, 矢谷博文
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的 骨基質は, 石灰化における無機質の配向を決定づけることが知られている. In vitroでの骨組織構築を達成するにあたり, 基質の配向を三次元的に制御することは重要である. 本研究ではゲルを用いた培養系を構築し, ゲル内細胞の配向・機能制御を行うことによる骨基質構築ついて検討した. 方法 MC3T3-E1(マウス由来骨芽細胞様細胞)を含むフィブリノーゲン溶液とトロンビン溶液の混合溶液をシリコーンモールド中に流し込み, ゲル化させることで細胞含有フィブリンゲルを得た. このゲルをカスタムメードのゲル伸展装置により異なる伸展割合にて保持し, 一定期間培養した試料における骨芽細胞の細胞形態, 細胞増殖, 細胞分化, 細胞外基質および石灰化物産生について検討を行った. 結果および考察 ハイドロゲルに伸展を加えることでゲル内細胞は伸展方向と平行な配向を示し, その伸展割合を高くすることで細胞増殖を促進し, 細胞分化を抑制することが明らかとなった. これらの原因として, 培養基材であるゲル材料の伸展に伴う物性の変化および細胞への圧縮, 伸展応力負荷が考えられた. また分泌された細胞外基質は免疫染色の結果, 細胞配向と同方向に配向していることが明らかとなった. このゲルへの石灰化沈着誘導はin vitroでの骨生成の可能性を高めることが期待される.
ISSN:1348-9615