医療機器で水分子の運動を見る-軟骨の構造評価と癌診断への試み

我々は人体内を, とくに生体軟組織を対象に, 非接触, 非侵襲的なイメージングにすぐれているMRI(Magnetic resonance imaging)を用いて, 撮像方法の開発からデータ解析法まで一括して研究開発を行っている. 中でも, (1)撮像時間の高速化によって人体の動きや粘弾性挙動を捉える, (2)MRのデータから形態情報だけでなく機能についての診断情報を得る撮像法の開発と研究, (3)再生医療を念頭に組織の形状と構造の緻密な観察と機能再生の評価への応用方法の開発である. MRIの基本原理は以下のように説明できる. 体内に無数に存在する水素原子核(プロトンproton=小さな磁石)...

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Veröffentlicht in:日本再生歯科医学会誌 2006-03, Vol.3 (2), p.150-151
1. Verfasser: 堤定美
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:我々は人体内を, とくに生体軟組織を対象に, 非接触, 非侵襲的なイメージングにすぐれているMRI(Magnetic resonance imaging)を用いて, 撮像方法の開発からデータ解析法まで一括して研究開発を行っている. 中でも, (1)撮像時間の高速化によって人体の動きや粘弾性挙動を捉える, (2)MRのデータから形態情報だけでなく機能についての診断情報を得る撮像法の開発と研究, (3)再生医療を念頭に組織の形状と構造の緻密な観察と機能再生の評価への応用方法の開発である. MRIの基本原理は以下のように説明できる. 体内に無数に存在する水素原子核(プロトンproton=小さな磁石)があり, 強い静磁場の中にプロトンをおくと, 一斉に縦方向に整列する. そこへ, 一定の周波数の電波を照射すると, プロトンが横向きに倒れ(共鳴現象), その外部電波を切ると, 電波を出しながらプロトンが戻ってくる(緩和現象). 緩和の速度は, 組織により, また病変により異なる. この電波を分析すると, 緩和の速度を知ることができ, これを, 画像の白黒に反映させて診断に供する.
ISSN:1348-9615