象牙質再生療法の開発 -CTGF 刺激によるヒト歯髄細胞におけるオステオネクチンの発現の解析
歯科保存修復において歯髄保存療法の確立と象牙質再生療法の開発が急務であると考えられる. 本研究では, 象牙質基質タンパクの一つであるオステオネクチンに着目し, CTGF 刺激による培養歯髄細胞の分裂増殖に対する影響ならびにオステオネクチンの発現に対する影響について解析を行った. ヒト歯髄細胞を αMEM 中にて遊走法により歯髄組織から分離し, 6代から8代継代したものを実験に供した. 培地中に 50ng/ml になるように CTGF を添加し, 6-well プレートにて培養を行った. 培養 24, 48, 72, 96時間後, 細胞の増殖について倒立顕微鏡にて観察を行った. また, 歯髄線維...
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Veröffentlicht in: | 日本再生歯科医学会誌 2003-12, Vol.1 (1), p.81-81 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 歯科保存修復において歯髄保存療法の確立と象牙質再生療法の開発が急務であると考えられる. 本研究では, 象牙質基質タンパクの一つであるオステオネクチンに着目し, CTGF 刺激による培養歯髄細胞の分裂増殖に対する影響ならびにオステオネクチンの発現に対する影響について解析を行った. ヒト歯髄細胞を αMEM 中にて遊走法により歯髄組織から分離し, 6代から8代継代したものを実験に供した. 培地中に 50ng/ml になるように CTGF を添加し, 6-well プレートにて培養を行った. 培養 24, 48, 72, 96時間後, 細胞の増殖について倒立顕微鏡にて観察を行った. また, 歯髄線維芽細胞を上記と同条件で 4-well チャンバースライドにて培養し, 各時間培養後, 10%中性ホルマリンにて固定し, 抗ヒトオステオネクチンマウスモノクローナル抗体を用いて, LSAB法にてオステオネクチンの発現と局在に対して免疫組織化学的解析を行った. 倒立顕微鏡による観察の結果, 無血清培地における培養と比較してCTGFを添加した場合, 種々の成長因子が含まれている 10%FCS を添加した場合と同様に顕著な歯髄細胞の分裂増殖が観察された. このことから, CTGF は単独でも歯髄細胞を分裂増殖させる機能を有すると考えられる. 免疫組織化学的解析の結果, CTGF 刺激により増殖がみられた歯髄細胞においてオステオネクチンの顕著な発現が観察された. このことから, CTGF は歯髄細胞において象牙質基質タンパクの一つであるオステオネクチンの発現を誘導する機能を有すると考えられる. |
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ISSN: | 1348-9615 |