牛舎建設におけるライフサイクルインベントリ分析(日本家畜管理学会・応用動物行動学会合同2009年度春季研究発表会)

［目的］筆者らは今まで様々な形態の酪農生産システムに対して, 5指標を用いた総合的な評価を行ってきた. その中のひとつの指標として, 化石エネルギー投入量による評価がなされているが, それは生産におけるランニングエネルギーのみにとどまっており, 施設等の建設に要するエネルギーは含まれていなかった. また, ライフサイクル的思考による評価は農業で行われ始めているが, 畜舎における建設, 内部施設の製造ではまだ着手されていない. そこで, 本研究では酪農生産システムの固定資産の中心的な施設の中から牛舎に注目し, 収容方式は間口8.5間のつなぎ飼い牛舎, 建築構造は鉄骨造, 積雪荷重は50cm以下を想定し, ライフサイクルインベントリを求めることを目的とした. ［方法］対象牛舎(図1)は, 延べ面積991m2, 屋根構造は切妻屋根, 間口は8.5間, 床はコンクリート敷きであり, ストール数72の鉄骨造つなぎ飼い牛舎を建設するために必要とする投入化石エネルギー量を検討した.