骨格性下顎前突症患者の術前後における大臼歯間幅径,大臼歯歯軸および咀嚼筋の走行: CBCTによる解析

「緒言」日本人に多い骨格性下顎前突症例における術後の安定性に関しては, 顎顔面の矢状面における前後的な位置変化に対する安定性も重要な課題であるが, 前頭面における上下顎の幅径や歯の傾斜の改善も検討すべき課題であると考える. 骨格性下顎前突症は, 上顎の歯槽部や歯列の狭窄がみられることが多く, 一方下顎の歯槽骨幅径は大きく歯列幅径の開大が認められる. このため上顎臼歯部は頬側に傾斜し, 下顎は舌側に傾斜する傾向が認められる. 機能と形態の関係から, これらの幅径の不調和は咀嚼筋の走行と密接な関係を持っていると考えられる. しかしながら, これに関する報告は少なく, また従来の頭部X線規格写真を用...

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 2023, Vol.33(1), pp.10-21
Hauptverfasser: 吉野, 馨, 吉野, 直之, 有泉, 大, 立木, 千恵, 渡部, 幸央, 大畠, 仁, 西井, 康, 吉野, 成史
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」日本人に多い骨格性下顎前突症例における術後の安定性に関しては, 顎顔面の矢状面における前後的な位置変化に対する安定性も重要な課題であるが, 前頭面における上下顎の幅径や歯の傾斜の改善も検討すべき課題であると考える. 骨格性下顎前突症は, 上顎の歯槽部や歯列の狭窄がみられることが多く, 一方下顎の歯槽骨幅径は大きく歯列幅径の開大が認められる. このため上顎臼歯部は頬側に傾斜し, 下顎は舌側に傾斜する傾向が認められる. 機能と形態の関係から, これらの幅径の不調和は咀嚼筋の走行と密接な関係を持っていると考えられる. しかしながら, これに関する報告は少なく, また従来の頭部X線規格写真を用いた評価では咀嚼筋の走行と歯列の関係を検討することは不可能であったがCBCTを用いることにより頭蓋の深部構造を含めた正確な形態と位置を三次元的に特定することが可能となった.
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd.33.10