外科的急速口蓋拡大術の後に上下顎骨移動術を施行した著しい骨格性下顎前突症例
「緒言」 骨格性下顎前突による不正咬合は, 顎関節機能や咀嚼, 言語などの口腔機能だけでなく, 社会心理学的問題にも影響する. 外科的矯正治療により咬合ならびに美的不調和を改善することは, 患者のQOLの向上に非常に重要である. 著しい骨格性下顎前突症例では, 上顎骨の発育不全を伴うことが多く, 上下顎骨の前後的な不調和のみならず, 上顎歯列の狭窄など水平的な不調和を伴うことが多い. 成長期の患者では, 上顎歯列の側方拡大と上顎骨の前方牽引を行うことが一般的であるが, 成人患者では様々な外科的矯正治療による対処が必要となる. 今回, 上顎歯列の大臼歯部の狭窄を伴う著しい骨格性下顎前突症例に対し...
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Veröffentlicht in: | 日本顎変形症学会雑誌 2019, Vol.29(3), pp.253-262 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」 骨格性下顎前突による不正咬合は, 顎関節機能や咀嚼, 言語などの口腔機能だけでなく, 社会心理学的問題にも影響する. 外科的矯正治療により咬合ならびに美的不調和を改善することは, 患者のQOLの向上に非常に重要である. 著しい骨格性下顎前突症例では, 上顎骨の発育不全を伴うことが多く, 上下顎骨の前後的な不調和のみならず, 上顎歯列の狭窄など水平的な不調和を伴うことが多い. 成長期の患者では, 上顎歯列の側方拡大と上顎骨の前方牽引を行うことが一般的であるが, 成人患者では様々な外科的矯正治療による対処が必要となる. 今回, 上顎歯列の大臼歯部の狭窄を伴う著しい骨格性下顎前突症例に対し, 2つの拡大装置を用いた外科的急速口蓋拡大術(surgically assisted palatal expansion ; SARPE)により, 上顎骨の後方部をより大きく側方拡大することで上下顎歯列弓の幅径の不調和を改善し, さらに上下顎移動術により上下顎骨の前後および垂直的位置関係を改善したところ, 良好な結果が得られたので報告する. |
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ISSN: | 0916-7048 1884-5045 |
DOI: | 10.5927/jjjd.29.253 |