Le Fort I 型骨切り術後のプレート破折と上顎骨癒合不全の治療経験

「緒言」顎顔面領域の骨折や顎変形症などの治療では, チタンプレートによる骨接合材が広く使用されている. 生体親和性に富んでいるだけでなく, 強固な固定が得られるなどその有用性は高い. また骨片をチタンプレートで固定した場合には術後の安定性は良好で, 臨床的に問題となる後戻りも少ないとされ, 術後の顎骨の安定性が非常に優れ予後は良好である. 顎矯正手術における合併症は, 出血, 神経損傷, 術中異常骨折, 組織内異物迷入, 顎関節脱臼, 術後感染などが報告されている. 術後癒合不全, プレート破折に関する報告は咬合圧負担が強くかかる下顎に関するものが散見され, われわれが渉猟し得た限りでは上顎に...

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 2019-04, Vol.29 (1), p.83-91
Hauptverfasser: 青木紀昭, 伊勢一眞, 恩田愛里彩, 小杉泰史, 小山千佳, 宮城島弘貴, 飯坂友宏, 石黒敬大, 太田信介, 舩木純三
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」顎顔面領域の骨折や顎変形症などの治療では, チタンプレートによる骨接合材が広く使用されている. 生体親和性に富んでいるだけでなく, 強固な固定が得られるなどその有用性は高い. また骨片をチタンプレートで固定した場合には術後の安定性は良好で, 臨床的に問題となる後戻りも少ないとされ, 術後の顎骨の安定性が非常に優れ予後は良好である. 顎矯正手術における合併症は, 出血, 神経損傷, 術中異常骨折, 組織内異物迷入, 顎関節脱臼, 術後感染などが報告されている. 術後癒合不全, プレート破折に関する報告は咬合圧負担が強くかかる下顎に関するものが散見され, われわれが渉猟し得た限りでは上顎に関する詳細な報告はない. 今回われわれは顎変形症に対し上下顎移動術施行後, 上顎骨癒合不全におけるプレート破折のため再固定と骨移植を施行し経過良好な症例を経験したので報告する.
ISSN:0916-7048