上顎骨延長術および下顎枝矢状分割術を行ったクルーゾン症候群を伴う骨格性下顎前突症患者の一治療例

「緒言」頭蓋顔面異骨症の一つであるCrouzon症候群は, 頭蓋顔面縫合部が早期に閉鎖し, 頭蓋の変形, 眼球突出, 上顎劣成長とこれに伴う著しい骨格性の下顎前突を示し, 中顔面が陥凹した特徴的な側貌を呈する. 重度の骨格性下顎前突症例に対しては, 上下顎移動術が行われることが多いが, 上顎骨の前方移動量が大きい症例では術後の後戻りをきたしやすい. Crouzon症候群に対する顎顔面形態へのアプローチはLe Fort III型骨切り術の術式が確立されて以来, 数々の検討や改良が加えられ, 現在様々な医療機関において行われている. 一方, 整形外科領域で広く普及している骨延長術は, 顎顔面領域に...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 2018, Vol.28(1), pp.52-60
Hauptverfasser: 小島, 紘子, 大谷, 淳二, 上田, 宏, 岩井, 宏次, 太田, 耕司, 小野, 重弘, 中川, 貴之, 武知, 正晃, 谷本, 幸太郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」頭蓋顔面異骨症の一つであるCrouzon症候群は, 頭蓋顔面縫合部が早期に閉鎖し, 頭蓋の変形, 眼球突出, 上顎劣成長とこれに伴う著しい骨格性の下顎前突を示し, 中顔面が陥凹した特徴的な側貌を呈する. 重度の骨格性下顎前突症例に対しては, 上下顎移動術が行われることが多いが, 上顎骨の前方移動量が大きい症例では術後の後戻りをきたしやすい. Crouzon症候群に対する顎顔面形態へのアプローチはLe Fort III型骨切り術の術式が確立されて以来, 数々の検討や改良が加えられ, 現在様々な医療機関において行われている. 一方, 整形外科領域で広く普及している骨延長術は, 顎顔面領域においてはSnyderらによってイヌにおける下顎骨延長実験の報告が行われ, McCarthyらが顎口腔領域での臨床応用を報告して以来広く普及し, 現在では上顎骨の前方, および側方延長, 下顎体の前後, あるいは側方延長, 下顎枝の垂直方向への延長や歯槽骨の垂直水平方向への延長など, 様々な形で適用されている.
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd.28.52