骨格性下顎前突症の顎矯正手術前後の舌骨の位置と気道形態の変化についての検討

「緒言」骨格性下顎前突患者に対する不正咬合の改善では, 矯正歯科治療に外科処置を併用して咬合のみならず顔貌を改善する治療方法を選択する場合が多い. しかし, 下顎の後方移動を施術することで口腔内容積の減少, つまり, 舌房の狭小化が生じて舌位に変化が起こることが知られている. さらに, 下顎は舌骨上筋群を介して舌骨に繋がっていることから, 舌骨下筋群により舌骨と連結する気道の形態変化にも影響を及ぼしている. 特に, 中咽頭収縮筋は舌骨から起こり咽頭縫線にいたる筋であり, 中咽頭の幅径に関与していることからも, 舌骨の位置と気道形態には密接な関係があると考えられる. 従って, 骨などの硬組織を介...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 2015/08/15, Vol.25(3), pp.201-206
Hauptverfasser: 鈴木, みすず, 宇塚, 聡, 渡邉, 尚子, 宮下, 渉, 藤城, 建樹, 荘司, 洋文, 小森, 成
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」骨格性下顎前突患者に対する不正咬合の改善では, 矯正歯科治療に外科処置を併用して咬合のみならず顔貌を改善する治療方法を選択する場合が多い. しかし, 下顎の後方移動を施術することで口腔内容積の減少, つまり, 舌房の狭小化が生じて舌位に変化が起こることが知られている. さらに, 下顎は舌骨上筋群を介して舌骨に繋がっていることから, 舌骨下筋群により舌骨と連結する気道の形態変化にも影響を及ぼしている. 特に, 中咽頭収縮筋は舌骨から起こり咽頭縫線にいたる筋であり, 中咽頭の幅径に関与していることからも, 舌骨の位置と気道形態には密接な関係があると考えられる. 従って, 骨などの硬組織を介さずに周囲の筋によってのみ位置的平衡性を維持している特殊な構造物である舌骨について治療前後の位置変化を分析することは, 下顎の後方移動が口腔・咽頭気道部へ与える影響を解明するためには重要と考える.
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd.25.201