東京医科歯科大学顎顔面矯正学分野における30年間の顎変形症治療に関する検討

「緒言」顎変形症患者に対する外科的矯正治療症例数は, 患者の咬合ならびに顔貌の改善に対する意識変化に加えて, 1996年に外科的矯正治療が保険適用となり, 治療に対する患者の経済的負担が減少して社会的認知度も高まったことから, 増加する傾向にある. 当分野は, 前身である歯科矯正学第二講座が1980年4月に開設されて以来, 東京医科歯科大学歯学部附属病院矯正歯科外来の一分野を担い, 口腔外科をはじめとする関連分野との連携を図り, 治療結果をフィードバックすることにより, 治療法に工夫を重ねてきた. また, 手術術式の改良は, 開設当初と比較して多様な選択肢の中から治療計画を立案することを可能と...

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 2010-08, Vol.20 (3), p.220-227
Hauptverfasser: 鈴木剛史, 川元龍夫, 山田大輔, 北村良平, 富永直子, 福岡裕樹, 森山啓司
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」顎変形症患者に対する外科的矯正治療症例数は, 患者の咬合ならびに顔貌の改善に対する意識変化に加えて, 1996年に外科的矯正治療が保険適用となり, 治療に対する患者の経済的負担が減少して社会的認知度も高まったことから, 増加する傾向にある. 当分野は, 前身である歯科矯正学第二講座が1980年4月に開設されて以来, 東京医科歯科大学歯学部附属病院矯正歯科外来の一分野を担い, 口腔外科をはじめとする関連分野との連携を図り, 治療結果をフィードバックすることにより, 治療法に工夫を重ねてきた. また, 手術術式の改良は, 開設当初と比較して多様な選択肢の中から治療計画を立案することを可能とした. そこで, 今回われわれは当分野開設以来30年間に施行された顎矯正手術症例に関して, 症例の実態, 顎矯正手術法の変遷とそれぞれの手術件数について調査し, 検討したので報告する. 「調査対象と検討項目および方法」調査対象症例は, 1980年4月から2009年12月までの30年間に東京医科歯科大学歯学部附属病院矯正歯科外来を受診し, 顎変形症の臨床診断のもとに当院口腔外科にて顎矯正手術を施行したうち, 顎顔面矯正学分野が外科的矯正治療を担当した1118症例である.
ISSN:0916-7048