著しい前歯部開咬を伴う鎖骨頭蓋異骨症患者に対して上下顎前歯部歯槽骨切り術にて咬合改善を行った1例

「緒言」鎖骨頭蓋異骨症(Cleidocranial dysostosis)は鎖骨低形成, 頭蓋骨縫合骨化遅延などを特徴とする先天性骨系統疾患であり, 近年その責任遺伝子として, 6p21に局在する転写因子Cbfa-1(Core binding facterα1)/Runx2(runtrelated gene 2)が同定された1-3). 当疾患は顎口腔領域にも多くの異常が認められ, 歯科受診時に発見される事の多い疾患である. われわれは歯の萌出遅延を主訴に来院した前歯部開咬を伴う鎖骨頭蓋異骨症患者に対して, 上下顎の永久歯の開窓および牽引術を行い, 最終的には上下顎前歯部歯槽骨切り術により咬合の...

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 2009-08, Vol.19 (3), p.150-156
Hauptverfasser: 山本達也, 山下佳雄, 井上将成, 隅康二, 野口信宏, 後藤昌昭
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」鎖骨頭蓋異骨症(Cleidocranial dysostosis)は鎖骨低形成, 頭蓋骨縫合骨化遅延などを特徴とする先天性骨系統疾患であり, 近年その責任遺伝子として, 6p21に局在する転写因子Cbfa-1(Core binding facterα1)/Runx2(runtrelated gene 2)が同定された1-3). 当疾患は顎口腔領域にも多くの異常が認められ, 歯科受診時に発見される事の多い疾患である. われわれは歯の萌出遅延を主訴に来院した前歯部開咬を伴う鎖骨頭蓋異骨症患者に対して, 上下顎の永久歯の開窓および牽引術を行い, 最終的には上下顎前歯部歯槽骨切り術により咬合の改善が得られた症例を経験したので報告する. 「症例」患者:10歳男性 初診:1994年11月 主訴:前歯が萌えてこない 家族歴:特記事項なし 現病歴:1993年10月(9歳時)に上顎前歯部永久歯の萌出不全を主訴に某歯科医院を受診. 両側上顎乳切歯とその間の過剰歯抜歯を行い, 経過観察を行ったが上顎前歯の萌出は認めなかった.
ISSN:0916-7048