階段状に曲げた生体内吸収性骨接合システムの力学的強度に関する検討: ポリ-L-乳酸骨接合システムとチタン骨接合システムの比較

「緒言」近年, 生体内吸収性材料の研究が進み1, 2), 本邦でもポリ-L-乳酸(PLLA)製の生体内吸収性骨接合システムが口腔顎顔面領域の手術に多用されるようになってきた3-7). PLLA製骨接合システムは生体内で加水分解され, 最終的に水と二酸化炭素になって吸収されるため除去の必要がないという利点を持つが, プレート周囲に形成される線維性被膜によって緩みが生じたとの報告8)や, 非感染性の組織反応による無腐性腫脹を認めたとの報告9)があり, 強度に難点があるなどの欠点も指摘されている10). われわれは2002年よりLe Fort I型骨切り術における前歯部の切開線を歯肉縁切開に変更した...

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 2008/08/15, Vol.18(3), pp.209-213
Hauptverfasser: 小林, 正治, 五島, 秀樹, 新美, 奏恵, 小田, 陽平, 泉, 直也, 小野, 由起子, 高田, 佳之, 芳澤, 享子, 齊藤, 力
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」近年, 生体内吸収性材料の研究が進み1, 2), 本邦でもポリ-L-乳酸(PLLA)製の生体内吸収性骨接合システムが口腔顎顔面領域の手術に多用されるようになってきた3-7). PLLA製骨接合システムは生体内で加水分解され, 最終的に水と二酸化炭素になって吸収されるため除去の必要がないという利点を持つが, プレート周囲に形成される線維性被膜によって緩みが生じたとの報告8)や, 非感染性の組織反応による無腐性腫脹を認めたとの報告9)があり, 強度に難点があるなどの欠点も指摘されている10). われわれは2002年よりLe Fort I型骨切り術における前歯部の切開線を歯肉縁切開に変更したことに伴い, 梨状口側縁部の骨接合に除去の必要のないPLLA製骨接合システムを使用している(Fig. 1). そこで本研究では, 梨状口側縁部の骨接合時と同じように階段状に曲げたPLLAならびにチタンミニプレートを母床にそれぞれのスクリューで固定して引張り試験, 曲げ試験ならびにせん断試験を行い, PLLA製骨接合システムの力学的強度を検討したので報告する.
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd1991.18.209