骨格性下顎前突症患者における咬筋および側頭筋の筋活動分析

緒言 顎口腔系の形態的要素の相違は, 骨格形態のみならずそれに付着する咀嚼筋群の走行に関連し, さらに咀嚼筋筋活動と顎口腔領域における機能活動発現様式にも関連すると報告されている1, 2). 骨格性下顎前突症患者は, 顎骨や歯列の形態異常を示すだけではなく顎口腔機能の低下を示すことが多い3). 過去の研究から, 骨格性下顎前突症患者の顎機能の特徴は, 低い咀嚼能率1), 咀嚼筋の協調不全4), 咀嚼リズムの乱れ4), チョッピング型の咀嚼運動路5), 活動電位の積分値の低下6, 7), パワースペクトラムの異常7)であることが報告されている. 一方, 咬みしめ時の筋活動については, 最大咬みし...

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 2006/08/15, Vol.16(3), pp.147-152
Hauptverfasser: 松久, 淳子, 山田, 一尋, 福井, 忠雄, 新部, 洋史, 齋藤, 功, 河野, 正司
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:緒言 顎口腔系の形態的要素の相違は, 骨格形態のみならずそれに付着する咀嚼筋群の走行に関連し, さらに咀嚼筋筋活動と顎口腔領域における機能活動発現様式にも関連すると報告されている1, 2). 骨格性下顎前突症患者は, 顎骨や歯列の形態異常を示すだけではなく顎口腔機能の低下を示すことが多い3). 過去の研究から, 骨格性下顎前突症患者の顎機能の特徴は, 低い咀嚼能率1), 咀嚼筋の協調不全4), 咀嚼リズムの乱れ4), チョッピング型の咀嚼運動路5), 活動電位の積分値の低下6, 7), パワースペクトラムの異常7)であることが報告されている. 一方, 咬みしめ時の筋活動については, 最大咬みしめ時に正常者は咀嚼筋の中で咬筋が優位であるのに対し, 下顎前突者では側頭筋筋活動に比べて咬筋筋活動が弱く機能的な不調和があると報告されている7-10)が, その全容は明らかにされていない. そこで本研究では, 骨格性下顎前突症患者と正常咬合者について, さまざまな咬みしめ強さにおける咬筋および側頭筋前部の筋活動について調べ, 骨格的不調和と筋活動との関連性について比較検討した.
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd1991.16.147