変形性関節症を伴う下顎後退症に対して上下顎移動術を施行した2例: 手術方針と術後経過について
緒言 変形性顎関節症を伴う顎変形症患者に対する顎矯正手術では,術後の顎関節症状の悪化や関節頭の吸収・変形による後戻りが懸念されており,手術の時期,手術の設計および術式の選択,術後の咬合管理など検討すべき課題が多い1,2). 変形性顎関節症における下顎頭の吸収・変形は,上下顎骨形態および咬合に二次的な変化を生じることが報告されている3-6). すなわち,下顎枝の短縮に起因した下顎下縁平面角の開大およびオトガイ部の後退を生じるため前歯部開咬を呈し,また上顎も同様に歯性の補償が生じるため上顎前歯の挺出および舌側傾斜を呈する場合が多く認められる. このような二次的な上下顎の時計廻りの回転をともなう変形...
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Veröffentlicht in: | 日本顎変形症学会雑誌 2006/04/15, Vol.16(1), pp.23-32 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 緒言 変形性顎関節症を伴う顎変形症患者に対する顎矯正手術では,術後の顎関節症状の悪化や関節頭の吸収・変形による後戻りが懸念されており,手術の時期,手術の設計および術式の選択,術後の咬合管理など検討すべき課題が多い1,2). 変形性顎関節症における下顎頭の吸収・変形は,上下顎骨形態および咬合に二次的な変化を生じることが報告されている3-6). すなわち,下顎枝の短縮に起因した下顎下縁平面角の開大およびオトガイ部の後退を生じるため前歯部開咬を呈し,また上顎も同様に歯性の補償が生じるため上顎前歯の挺出および舌側傾斜を呈する場合が多く認められる. このような二次的な上下顎の時計廻りの回転をともなう変形を改善するためには矯正治療単独では困難で,顎矯正手術により上下顎を反時計方向に回転移動させることでオトガイ部の前方移動量を増加させ,咬合と顔貌の改善を行うことが理想的であると考えられる. また,このような手術の設計は上気道部の拡大の点でも有利であることが報告されている7). |
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ISSN: | 0916-7048 1884-5045 |
DOI: | 10.5927/jjjd1991.16.23 |