生体内吸収性骨接合システムの改良
緒言 ポリ-L-乳酸製生体内吸収性骨接合システムは, 生体内で加水分解されて最終的に水と炭酸ガスに分解吸収される. このため, 除去の必要がなく, また副作用も少ないことから臨床応用されるようになり, 近年整形外科領域1-3)だけでなく, 顎変形症4-6)や顎骨骨折7-9)などの口腔顎顔面領域における手術にも多用されている. 今回使用したネオフィックスミニプレートおよびミニスクリユー(ネオフィックス(R), グンゼ株式会社, 京都)は, poly-L-lactic acid(PLLA)ポリマーを原料とする生体内吸収性材料で, その利点として(1)治癒後に除去する必要がない, (2)金属イオンの...
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Veröffentlicht in: | 日本顎変形症学会雑誌 2005/04/15, Vol.15(1), pp.21-27 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 緒言 ポリ-L-乳酸製生体内吸収性骨接合システムは, 生体内で加水分解されて最終的に水と炭酸ガスに分解吸収される. このため, 除去の必要がなく, また副作用も少ないことから臨床応用されるようになり, 近年整形外科領域1-3)だけでなく, 顎変形症4-6)や顎骨骨折7-9)などの口腔顎顔面領域における手術にも多用されている. 今回使用したネオフィックスミニプレートおよびミニスクリユー(ネオフィックス(R), グンゼ株式会社, 京都)は, poly-L-lactic acid(PLLA)ポリマーを原料とする生体内吸収性材料で, その利点として(1)治癒後に除去する必要がない, (2)金属イオンの溶出がない, および(3)Semirigid fixationができるなどがあげられている. その反面, 強度にやや難点があり使用部位が限られることや高価格などの理由で, 金属製骨接合システムを凌駕できないのが現状である. われわれは, 上顎前突症および下顎後退症の診断で20歳の女性に2000年8月, 下顎枝矢状分割術およびオトガイ形成術を施行し, ネオフィックス(R)(MS2008, グンゼ 株式会社, 京都(以下旧型とする)10, 11))にて骨片の固定を行った. オトガイ部の骨片の固定には3穴のミニプレート2枚と8mmミニスクリュー4本を用いた(Fig. 1a). 術翌日のX線写真で, オトガイ部の骨片偏位が認められた(Fig. 1b)ため精査したところ, 骨片固定に用いたすべてのミニスクリューの破損が認められたので, 2日後チタンミニプレートにて再度固定した. そこで, その原因について検討し, ミニスクリューの形態を改良するとともにミニプレートの形態を改善し, さらにトルクドライバーを作製したのでその概要を報告する. 実験 実験1:オトガイ形成術実験モデル 1. 材料と方法 本症例のスクリューの破損原因がオトガイ舌骨筋の張力により起こったと考え, オトガイ形成術のモデルを作製し, 旧型骨接合システムを用いて強度を調べた. 旧型ミニプレートを110℃の加熱下でクランク状に曲げ加工した後, 擬似骨(ケミカルウッド)に5N cm ±30%のトルクで固定した. 次にその擬似骨を試験器具(オートグラフ, 万能試験機;AGS-5kNG, 島津製作所, 京都)に固定し(Fig. 2), ロードセルに直結したプッシャーを作用させ, 荷重値と変位量を測定するとともに, さらに微小変位量を測定した. |
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ISSN: | 0916-7048 1884-5045 |
DOI: | 10.5927/jjjd1991.15.21 |