P-9-1.当科におけるスケルタル, アンカレッジ, システムに関する臨床学的検討

スケルタル, アンカレッジ, システム(SAS)は, アンカープレートを歯槽基底部や顎骨に暫間的に挿入し, それを固定源として用いることにより上下顎大臼歯の圧下や近遠心移動を可能とする治療法である. しかし, これらインプラント体埋入に伴う術後偶発症について検討した報告は少なく, その詳細については不明な点が多い. そこで私達は本システムによる埋入手術に関する臨床的検討を行った. 対象は2002年7月~2003年12月の1年5か月間, 当科においてSAS(K1およびSMAPシステム:デンツプライ三金社製)の埋入手術を受けた患者37名(男性9名, 女性28名)である. 症例はSMAP 30名60...

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 2004, Vol.14 (3), p.258-258
Hauptverfasser: 廣瀬史子, 北浦宏明, 秋元善次, 高崎義人, 高野正行, 柿澤卓
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:スケルタル, アンカレッジ, システム(SAS)は, アンカープレートを歯槽基底部や顎骨に暫間的に挿入し, それを固定源として用いることにより上下顎大臼歯の圧下や近遠心移動を可能とする治療法である. しかし, これらインプラント体埋入に伴う術後偶発症について検討した報告は少なく, その詳細については不明な点が多い. そこで私達は本システムによる埋入手術に関する臨床的検討を行った. 対象は2002年7月~2003年12月の1年5か月間, 当科においてSAS(K1およびSMAPシステム:デンツプライ三金社製)の埋入手術を受けた患者37名(男性9名, 女性28名)である. 症例はSMAP 30名60本, K1 7名12本, 合計72本であった. 検討項目はインプラント種類別の割合, 診断名別の割合, 性別, 年齢分布, 埋入部位とその割合, 術後偶発症の割合である. インプラント種類別ではSMAP(男26%女74%), K1(男14%女84%)であった. 診断名別では, K1で大部分が上顎前突症例(86%)で他は開咬症(14%)であった. SMAPでは上顎前突症例の臼歯部後方移動が多かった. 性別, 年齢分布ではK1, SMAPともに20~30代の女性に多く, 平均年齢28.5歳であった. 埋入部位別では, K1で両側上顎臼歯部頬側, SMAPで両側上顎臼歯部頬側(頬骨下稜)に埋入している症例が多い傾向が認められた. 術後偶発症として, K1では, 動揺による撤去例が最も多く12本中2本(16.6%)であった. この原因は, 菲薄な上顎洞前壁に埋入したためと考えられる. SMAPでは, 術後感染が最も多く60本中3本(5%), 次いで一過性知覚障害が60本中1本(1.7%)認められた. 術後感染の原因はSMAPインプラントの粘膜貫通部分からの口腔内細菌侵入によるものと考えられ, 知覚障害は, 骨膜剥離時のオトガイ孔明示によるものと考えられた. 質問 東北大, 大学院, 顎口腔矯正学 菅原準二 SMAP感染例は撤去したのか. 回答 東京歯大, 水道橋病院, 口外 廣瀬史子 感染例に対しては消炎処置を行い, SMAPの撤去は行っておらず, その機能としては現在も問題なく経過している.
ISSN:0916-7048