P-8-1.下顎枝矢状分割法症例における下顎管の下顎骨内位置関係に関する臨床的研究

【緒言】従来より, 下顎枝矢状分割法術後の知覚障害の要因として, 下顎管の位置が影響するとの報告が多い. これは, 本法が下顎枝頬側皮質骨内側面を骨きり面と設定することに要因があると言われている. そこで私たちは, これらの関連を明らかにするための予備研究として, 下顎骨内部における下顎管の走行を把握するためのCT画像評価法について臨床的検討を行った. 【研究対象】対象は, 東京歯科大学水道橋病院口腔外科において, 2000年1月から2003年9月までの3年9か月間で下顎枝矢状分割法を施行した顎変形症患者396症例のうち, 術前に研究に対し説明の上同意が得られた56症例112側である. 平均年...

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 2004, Vol.14 (3), p.256-257
Hauptverfasser: 大山定男, 門田崇, 北浦宏明, 廣瀬史子, 菊地徹行, 秋元善次, 高崎義人, 高野正行, 柿澤卓, 山本正紀
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【緒言】従来より, 下顎枝矢状分割法術後の知覚障害の要因として, 下顎管の位置が影響するとの報告が多い. これは, 本法が下顎枝頬側皮質骨内側面を骨きり面と設定することに要因があると言われている. そこで私たちは, これらの関連を明らかにするための予備研究として, 下顎骨内部における下顎管の走行を把握するためのCT画像評価法について臨床的検討を行った. 【研究対象】対象は, 東京歯科大学水道橋病院口腔外科において, 2000年1月から2003年9月までの3年9か月間で下顎枝矢状分割法を施行した顎変形症患者396症例のうち, 術前に研究に対し説明の上同意が得られた56症例112側である. 平均年齢は, 25. 1歳であった. 【方法】DentalCT画像を用いて(1)下顎孔部(2)下顎角部(3)外側骨きり線相当部を抽出し, I 下顎枝頬側皮質骨幅径, II 下顎枝頬側皮質骨内側から下顎管外側壁, III 下顎枝頬側皮質骨内側から下顎管内側壁, IV 下顎骨最下縁から下顎管外側壁, V 下顎骨最下縁から下顎管内側壁を計測した. 【結果】下顎枝矢状分割法において重要なII 下顎枝頬側皮質骨内側から下顎管外側壁の幅径の平均値は, (1)下顎孔部で右側:1. 75±0. 359左側:1. 89±1. 27(2)下顎角部で右側:1. 97±1. 045左側:2. 34±1. 169(3)外側骨きり線で右側:3. 03±1. 263左側:3. 13±1. 114であった. 【まとめ】2000年1月から2003年9月までの顎変形症患者56症例に対し, CT撮影を行い下顎骨内部構造を観察した. CT画像をもとに, 下顎孔部, 下顎角部, 外側骨きり線相当部において下顎管に垂直に交わる面を観察した. 各部位において, 大きな差は認めなかった. 下顎枝矢状分割法においては, 術中の下顎管走行の特徴を把握した上で行うことが有用であると考えられる. 今後は, 診断名や症例別や知覚検査との関係について検討する予定である. 質問 福岡歯大, 成長発達歯学 石川博之 骨切り線を個人別に将来どのように設定するのか. 回答 東京歯大, 水道橋病院, 口外 大山定男 症例別診断名別(下顎前突症, 下顎後退症, 顔面非対称症)などで骨幅の違いがあると思われます. Dental CT画像を用いてそれぞれに適した骨切り線を設定する必要があると思います. 追加 東京歯大, 水道橋病院, 口外 高崎義人 外側骨切り線の設定について. 齊藤(新大)らの報告によれば, Dal Pont ObwegeserからObwegeser原法に変える事によって, 知覚障害の発現率を低下可能とし, 藤川らは内側骨切りと外側骨切りの距離と知覚障害程度の間に相関がありObwegeser原法に近づける事により, 障害発現率を低下すると報告しております. これらを踏まえ, 今後は個々の症例に対応した骨切り線の設定について, 演者らの研究結果と対応させて検討予定です.
ISSN:0916-7048