P-5-5.超音波骨メス(SONOPET)を用いたLe Fort I型骨切り術の経験

超音波骨メス(SONOPET)は主に整形外科や脳外科領域で使用され, その適応疾患は前床突起切除, 内耳道開放, 椎弓切除などである. 超音波骨メスはハンドピース型で, その先端のチップが発振周波数25kHz, 振幅200μmの縦振動とねじり振動とを行うことによって骨を切削する. 本機器の利点として, 回転モーメントが無いため, ガーゼや綿を巻き込む危険がないとされている. 今回われわれは, 顎変形症2例に, 超音波骨メスを用いてLe Fort I型骨切り術を行ったのでその概要を報告する. 症例1:29歳の女性. 2年前に開咬を主訴に矯正歯科治療を希望して来院した. 上顎骨劣成長, 骨格性下顎...

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 2004, Vol.14 (3), p.252-252
Hauptverfasser: 毛利謙三, 住友伸一郎, 池田昌弘, 田中四郎, 笠井唯克, 高井良招, 兼松宣武
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:超音波骨メス(SONOPET)は主に整形外科や脳外科領域で使用され, その適応疾患は前床突起切除, 内耳道開放, 椎弓切除などである. 超音波骨メスはハンドピース型で, その先端のチップが発振周波数25kHz, 振幅200μmの縦振動とねじり振動とを行うことによって骨を切削する. 本機器の利点として, 回転モーメントが無いため, ガーゼや綿を巻き込む危険がないとされている. 今回われわれは, 顎変形症2例に, 超音波骨メスを用いてLe Fort I型骨切り術を行ったのでその概要を報告する. 症例1:29歳の女性. 2年前に開咬を主訴に矯正歯科治療を希望して来院した. 上顎骨劣成長, 骨格性下顎前突症および開咬症と診断し, 上顎はLe Fort I型骨切り術を, 下顎は下顎枝矢状骨切り術を行った. 症例2:24歳の男性. 下顎前突を主訴に来院した. 上顎骨劣成長, 骨格性下顎前突症と診断し, 上顎はLe Fort I型骨切り術を, 下顎は下顎枝矢状骨切り術を行った. 症例1, 症例2ともに上顎の骨切りは同様の方法で行った. まず上顎の粘膜切開をNo.15メスで行った. 粘膜骨膜剥離後のLe Fort I型骨切り術の際に超音波骨メス(SONOPET)を使用した. 骨切りは, 梨状口側壁から上顎洞前壁および頬骨下稜下を経て, 上顎結節後方部の順で行った. SONOPETの先端のチップを, 超音波スケーラーで歯石を除去する程度の力で, 軽く直角に骨面押し当てる程度で, 薄い上顎洞前壁の骨切りは可能であった. チップが骨面から滑ってガーゼや周囲の軟組織を巻き込むこともなかった. また, 切削した骨面からの出血は認められたが, 上顎洞前壁骨下の上顎洞粘膜を傷つけることはなかったため, 上顎洞粘膜からの出血は認められなかった. しかし, チップの長さが短いために, 翼突上顎縫合部の切離は困難であった.
ISSN:0916-7048