P-2-2.上下顎前方歯槽部骨切り術で対応した,上顎赤唇部高径の過長を主訴とした症例
上顎歯槽部突出と下顎下縁平面の急傾斜を伴う症例に対して, 上下顎前方歯槽部骨切り術を用いることにより形態的に良好な結果が得られた. 軟組織計測, 特に上下口唇形態に着目し分析を行ったので報告する. 症例:26歳1か月女性, 平成14年6月, 上口唇赤唇幅の過長と突出, および上顎前歯の前突感を主訴として来院した. 同年2月より3か月間, 週に一度心療内科に通院し, 夜間の精神安定剤内服の既往歴が認められた. 家族歴に特記事項はなく, 顔貌は左右対称凸様で口唇閉鎖時に頤に緊張を認めた. 臼歯関係はほぼ両側Angle Class Iで, overbite 1.0mm, overjet 1.0mmで...
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Veröffentlicht in: | 日本顎変形症学会雑誌 2004, Vol.14 (3), p.244-244 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 上顎歯槽部突出と下顎下縁平面の急傾斜を伴う症例に対して, 上下顎前方歯槽部骨切り術を用いることにより形態的に良好な結果が得られた. 軟組織計測, 特に上下口唇形態に着目し分析を行ったので報告する. 症例:26歳1か月女性, 平成14年6月, 上口唇赤唇幅の過長と突出, および上顎前歯の前突感を主訴として来院した. 同年2月より3か月間, 週に一度心療内科に通院し, 夜間の精神安定剤内服の既往歴が認められた. 家族歴に特記事項はなく, 顔貌は左右対称凸様で口唇閉鎖時に頤に緊張を認めた. 臼歯関係はほぼ両側Angle Class Iで, overbite 1.0mm, overjet 1.0mmであったが, 特に上顎前歯歯根相当部の前方歯槽骨膨隆が著明であった. X線所見より, 上顎前突(SNA87.8°, ANB8.0°), 下顎下縁傾斜角の急傾斜(Mp to FH 38.5°)が認められた. 顎関節所見では左右側にクリッキングが認められた. 診断:上顎前突. 治療経過:上下左右第一小臼歯抜歯後, 26歳5か月より術前矯正治療を開始し, 27歳5か月時に上下顎前方歯槽部骨切り術を施行した. 上顎前歯切縁の移動量は後方に8.5mm, 下顎前歯切縁は後方に8.O0m移動し, A点およびB点は後方に5.5mmずつ移動した. アーチワイヤは術直前に除去したが, 新製したものを術中に装着した. スプリントを介して顎間固定を行い, 骨片固定は上顎2箇所下顎1箇所ミニプレートを用いて行った. 考察:術後, 上下口唇突出度, 上下口唇の厚みおよび上口唇上下高径の減少は認められた. しかし主訴の一つである上口唇赤唇部の上下幅を狭くしたいという主訴に関しては, 患者はさらに改善を希望されており, 今後, 上口唇軟組織形態修正のための外科的アプローチを検討する必要があると感じている. |
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ISSN: | 0916-7048 |