P-1-2.上顎歯列弓拡大を目的とした骨延長術の術後変化について-3DXによる骨量,骨形態の観察を中心として
【緒言】成人の上顎歯列弓狭窄症の患者では, 矯正装置のみで上顎歯列弓の拡大を行うと, 臼歯部の頬側傾斜を起こし, 後戻りを生じ易い. そのため, より安定した歯列を得るために, 顎骨自身の拡大を伴う歯列弓の拡大が必要となる. そこでわれわれは, 成人の上顎歯列弓狭窄症に対しLe Fort I型骨切り, 口蓋正中部骨切りを行い, 急速拡大装置を応用した骨延長術による上顎歯列弓の拡大を行っている. 今回われわれは本法を行った症例に対し, 歯科用小照射野X線CT(3DX)を用い上顎正中部の新生骨の形成, 成熟の状態を観察した. 【方法】全身麻酔下にLe Fort I型骨切りと口蓋正中部骨切りを行い,...
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Veröffentlicht in: | 日本顎変形症学会雑誌 2004, Vol.14 (3), p.242-242 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【緒言】成人の上顎歯列弓狭窄症の患者では, 矯正装置のみで上顎歯列弓の拡大を行うと, 臼歯部の頬側傾斜を起こし, 後戻りを生じ易い. そのため, より安定した歯列を得るために, 顎骨自身の拡大を伴う歯列弓の拡大が必要となる. そこでわれわれは, 成人の上顎歯列弓狭窄症に対しLe Fort I型骨切り, 口蓋正中部骨切りを行い, 急速拡大装置を応用した骨延長術による上顎歯列弓の拡大を行っている. 今回われわれは本法を行った症例に対し, 歯科用小照射野X線CT(3DX)を用い上顎正中部の新生骨の形成, 成熟の状態を観察した. 【方法】全身麻酔下にLe Fort I型骨切りと口蓋正中部骨切りを行い, 7日間の待機後, RAPID EXPANDER(11mm)(Leone社製)を用い, 両側4-6に装着した拡大装置を術後7日目より0.8mm/dayで7日間, その後0.4mm/dayで13日間(total 10.8mm)拡大し保定を行った. 術後1か月, 3か月に3DXの撮影を行い新生骨の骨量と形態を観察した. 【結果】上顎歯列弓の拡大により, 4-4間で11.0mm, 6-6間で12.0mm拡大された. 3DXの所見では正中部において約4mm拡大されていた. その拡大部は術後1か月ではX線透過像を認めたが, 術後3か月ではX線不透過像が認められ, 新生骨形成, 成熟が確認できた. 【まとめ】Le Fort I型骨切りと口蓋正中部骨切りを行った骨延長術による上顎歯列弓の拡大により, 予定された拡大量を得ることが出来たが, 3DXの所見では, 正中において, 約4mmの拡大しか得られなかった. このことより, 成人の上顎歯列弓の拡大を目的とした骨延長術において, 固定源を歯のみに求める方法では十分な骨延長が得られないと考えられる. |
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ISSN: | 0916-7048 |