B-6-1.SONOPET(ultrasonic bone curette)を用いたLe Fort I骨切り術の検討
Le Fort I骨切り術は, 現在, 頻繁に顎変形症患者に対し用いられる術式の一つとなっている. 本術式は本来, 上顎骨の前方, 下方移動を行うものであり, 術前にこのことを考慮して矯正処置を行うことが多い. しかし術前矯正終了時に臼歯部の上方移動, わずかな後方への移動を行った方が審美的, 機能的によりよい改善が得られる症例も存在する. そこで今回われわれは, SONOPET(ultrasonic bone curette, エムアンドエム株式会社)を使用することで, Le Fort I down fracture後に翼状突起の意図的な骨切りが安全に行えるか, また翼状突起の可動性が上顎骨...
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Veröffentlicht in: | 日本顎変形症学会雑誌 2004, Vol.14 (3), p.237-237 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | Le Fort I骨切り術は, 現在, 頻繁に顎変形症患者に対し用いられる術式の一つとなっている. 本術式は本来, 上顎骨の前方, 下方移動を行うものであり, 術前にこのことを考慮して矯正処置を行うことが多い. しかし術前矯正終了時に臼歯部の上方移動, わずかな後方への移動を行った方が審美的, 機能的によりよい改善が得られる症例も存在する. そこで今回われわれは, SONOPET(ultrasonic bone curette, エムアンドエム株式会社)を使用することで, Le Fort I down fracture後に翼状突起の意図的な骨切りが安全に行えるか, また翼状突起の可動性が上顎骨移動時の骨片干渉の緩和に役立つか否かを検討した. 対象は当科において下顎前突症, 開咬症, 上下顎非対称と診断された14人(男性2人, 女性12人, 平均年齢22.4歳)であった. これらの患者に, Le Fort I骨切り術と同時に下顎枝矢状分割術あるいは下顎枝垂直骨切り術を施行した. 低血圧麻酔下にLe Fort I骨切り時, down fractureまでは従来の方法にて施行した後, SONOPETを用い, 上顎水平骨切り線のわずかに上方で, 下行口蓋動脈を明示し, 周囲血管等を損傷しないように水平に翼状突起の骨切りを行った. Double splint法にて上顎骨を予定の位置へ移動させ, 吸収性プレート(Fixsorb)にて固定した. 術後, 3DCTにて翼状突起部の状態を観察し評価した. その結果, 全ての症例において, 出血量も少なく安全に翼状突起骨切り後の可動性を得ることができ, 理想的な上顎骨の移動が行えた. 術後, 開口障害, 神経麻痺などの合併症も認めなかった. SONOPETを用い, 下行口蓋動脈および周囲組織の損傷を与えないで安全に翼状突起の骨切りを行い, 可動性を得ることは可能であり, 本方法は上顎骨の移動範囲の制限を少なくできると考えられた. |
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ISSN: | 0916-7048 |