A-7-4.下顎枝矢状分割術施行患者における経管栄養と経口栄養との比較
手術後の栄養管理は手術侵襲に対する体力回復, 感染の予防, 創傷の治癒などの点において術後管理の重要な部分をしめる. 口腔外科領域においては食物摂取の入り口である口腔内に創傷があり, 手術侵襲による嚥下障害, 食物残渣による口腔衛生の悪化, 創傷感染などへの配慮から経鼻の経管栄養が多用されてきた. しかし, 顎変形症手術のような短期使用の場合でも経管栄養は栄養チューブの気管への誤挿入の危険性, 挿入時の嘔吐反射や違和感, 留置による違和感や痛み, 鼻孔部の褥創形成やチューブに対する抵抗感など問題も多い. 従来当科では顎変形症患者の全症例で術後に経鼻の経管栄養を行ってきた. しかし, 術後管理の...
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Veröffentlicht in: | 日本顎変形症学会雑誌 2004, Vol.14 (3), p.225-225 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 手術後の栄養管理は手術侵襲に対する体力回復, 感染の予防, 創傷の治癒などの点において術後管理の重要な部分をしめる. 口腔外科領域においては食物摂取の入り口である口腔内に創傷があり, 手術侵襲による嚥下障害, 食物残渣による口腔衛生の悪化, 創傷感染などへの配慮から経鼻の経管栄養が多用されてきた. しかし, 顎変形症手術のような短期使用の場合でも経管栄養は栄養チューブの気管への誤挿入の危険性, 挿入時の嘔吐反射や違和感, 留置による違和感や痛み, 鼻孔部の褥創形成やチューブに対する抵抗感など問題も多い. 従来当科では顎変形症患者の全症例で術後に経鼻の経管栄養を行ってきた. しかし, 術後管理の安全性の向上, 患者の身体, 精神的負担の軽減を計ることが必要と考え, 経管栄養を経口栄養に切り替えることを目的に両者の比較, 検討を行った. 今回, その概要を報告する. 対象:平成15年1月より平成15年12月までに下顎枝矢状分割術を行った患者で術後経口栄養を選択したもの23例, 経管栄養を選択したもの71例. 調査項目:出血量, 手術時間, 栄養チューブの気管に対する誤挿入率, 食事の摂取量, 経管栄養の期間, 熱型, 白血球数, CRP. 結果:栄養チューブの気管に対する誤挿入率は4.3%であった. 経管栄養, 経口栄養ともに術後創傷の感染を起こした症例は無かった. まとめ:術後, 患者の口腔衛生を厳重に管理することにより口腔内の創傷に対する感染は防ぐことができた. 経管栄養は気管に対する誤挿入や留置時の違和感が強いことから手術侵襲が高く嚥下障害が発生した症例などに適応があると考えられた. 質問 氏名不詳 1. 経管, 経口栄養の違いにより, 口腔の清掃状況に違いはあるか. 2. 両群で抗生剤の投与の延長等の工夫はあるか. 回答 東京歯大, 水道橋病院, 口外 門田崇 1. 両群で口腔内の清掃状況については違いは無い. 2. 特に行っておりません. 質問 氏名不詳 1. 栄養チューブの施行は誰がいつ行っているか. 2. 術後の胃部不快感に麻酔薬の影響とあるが, 使用薬剤は. 回答 東京歯大, 水道橋病院, 口外 門田崇 1. 術翌日に各担当医が顎間固定前に挿入し, chest撮影を行い, 誤挿入が無い事を確認のうえ, 追加挿入を行っております. 2. 術中ほとんどの症例でフェンタネストを使用している為, その影響も考えられる. しかし, 嘔気, 胃部不快等の自覚症状については, その他の要素も大いに考えられるため, 薬剤単味の影響のみではないと思われる. |
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ISSN: | 0916-7048 |