A-4-1.RED systemにLeipzig retention plate systemを用いて上顎骨延長を施行した口唇口蓋裂の2例

口唇口蓋裂患者の1期的な上顎前方移動は困難であるため, 1990年代後半から仮骨延長法を用いた治療法が開発され, 現在口腔内, 外deviceを用いた治療が行われるようになっている. とくにRED systemは頻用されているが, 歯列に作用点があることから, 歯の移動などの欠点が報告されている. 今回, 私達はLeipzig retention plate(Martin社)を骨切り後の上顎に装着し, RED systemを用い, 上顎骨に直接牽引力を作用させ, 骨延長を行った口唇口蓋裂の2例を経験したので, その概要を報告する. 症例1:17歳, 男性. 診断:左側唇顎口蓋裂, 上顎劣成長に...

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 2004, Vol.14 (3), p.217-217
Hauptverfasser: 武藤祐一, 碓井由紀子, 澤端喜明, 山田秀樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:口唇口蓋裂患者の1期的な上顎前方移動は困難であるため, 1990年代後半から仮骨延長法を用いた治療法が開発され, 現在口腔内, 外deviceを用いた治療が行われるようになっている. とくにRED systemは頻用されているが, 歯列に作用点があることから, 歯の移動などの欠点が報告されている. 今回, 私達はLeipzig retention plate(Martin社)を骨切り後の上顎に装着し, RED systemを用い, 上顎骨に直接牽引力を作用させ, 骨延長を行った口唇口蓋裂の2例を経験したので, その概要を報告する. 症例1:17歳, 男性. 診断:左側唇顎口蓋裂, 上顎劣成長による下顎前突症. 2002年12月12日高位Le Fort I型骨切り術を施行し, retention plateを左右1枚ずつ装着した. 術後6日から1mm/日で17日延長し, 右側4mm, 左側11mmの移動量が得られた. 延長終了から16日後, 左右各1枚のminiplateにて固定, ハローを除去した. 現在咬合は安定しており, 更に治療を継続している. 症例2:19歳, 男性. 診断:口蓋裂, 上顎劣成長による下顎前突症. 2003年8月8日高位Le Fort I型骨切り術および上顎骨正中分割を行い, retention plateを左右1枚ずつ装着した. 術後3日から2mm/日で延長し, 術後7日から0.5mm/日で幅径拡大を図った. しかし上顎は延長されないため, 8月22日上顎後端の骨切りを施行した. 術後1日から5日間前方牽引し, overcorrection 2mmを含め, 右側10mm, 左側12mmの移動量が得られた. ハローはトルクレンチにて毎日30-40N/cmで締め, 緩みは殆ど生じなかった. 延長終了から20日後, 左右各1枚のminiplateにて固定, ハローを除去した. 現在安定した咬合が得られている. 本法は歯列より上方の骨に作用点を有し, 延長方向のコントロールが容易であるとともに, 2mm/日以上の強固な牽引力を作用することにより延長期間の短縮が可能であり, 有用性が示唆された.
ISSN:0916-7048