C-7-5.偏位を伴う顎変形症患者における顔面軟組織の非対称性

【目的】偏位を伴う顎変形症患者における顔面軟組織の形態評価については, 顔面規格写真や正面セファログラム等による顔面軟組織輪郭の二次元的なものは認められるものの, 三次元的なものは未だに認められない. そこで今回, 非接触型三次元表面形状計測装置から得られた顔面軟組織の三次元データと正面セファログラムを用いて, 軟組織の三次元形態評価について検討を行った. 【資料および方法】新潟大学歯学部附属病院矯正歯科診療室に来院し, 骨格性下顎前突症と診断された患者40名を対象とし, 初診時に三次元表面形状計測(VIVID700, ミノルタ社製)された三次元データと正面セファログラムを資料として用いた....

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 2003, Vol.13 (3), p.223-223
Hauptverfasser: 中川公貴, 稲見佳大, 森田修一, 花田晃治, 寺田員人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【目的】偏位を伴う顎変形症患者における顔面軟組織の形態評価については, 顔面規格写真や正面セファログラム等による顔面軟組織輪郭の二次元的なものは認められるものの, 三次元的なものは未だに認められない. そこで今回, 非接触型三次元表面形状計測装置から得られた顔面軟組織の三次元データと正面セファログラムを用いて, 軟組織の三次元形態評価について検討を行った. 【資料および方法】新潟大学歯学部附属病院矯正歯科診療室に来院し, 骨格性下顎前突症と診断された患者40名を対象とし, 初診時に三次元表面形状計測(VIVID700, ミノルタ社製)された三次元データと正面セファログラムを資料として用いた. 三方向より計測を行った三次元データの貼り合わせを行った後, 左右各2領域に分け, それぞれの体積と投影面積の計測を行った. そして, 各領域の体積, 投影面積における左右差から加藤の非対称率を用いて対称性の客観的表示を行った. また, 正面セファログラムよりオトガイ, 下顎枝, 下顎角の偏位度を計測し, 対象患者を非偏位群と偏位群に分け, 各領域における投影面積と体積の非対称率について, 比較検討を行った. 【結果および考察】両群間において, 下顔面部軟組織の非対称率は体積, 投影面積ともに有意差を認めた. 偏位群における下顔面部軟組織の体積と投影面積の非対称率間, また, オトガイと下顎枝の偏位度と下顔面部軟組織の体積の非対称率とそれぞれにおいて相関を認めた. 以上のことから, 顎偏位による顔面軟組織の非対称性は下顔面部に現れること, 偏位を伴う顎変形症患者において, 下顔面部軟組織の非対称性は二次元だけでなく三次元でも現れ, オトガイの偏位や下顎枝の形態的左右差は, 下顔面軟組織の三次元的非対称に影響を与えていることが示唆された. また, あらゆる要素から生じた偏位について軟組織の非対称性を評価するには, 非接触型三次元表面形状計測装置による評価が有用であることが示唆された.
ISSN:0916-7048