C-3-1.下顎枝矢状分割術とオトガイ形成術を併用した顎変形症患者6症例の軟組織および硬組織の術後変化と安定性について

【目的】顎変形症患者に対し, 下顎枝矢状分割術を用いて咬合の改善を図ることが多いが, オトガイ部の位置や形態が十分に改善されず下顔面部の審美的不満を訴える患者を経験することがある. このような症例に対して, オトガイ形成術を併用することは, 機能的, 審美的な面から有用と考えられる. 今回, われわれは下顎枝矢状分割術とオトガイ形成術を併用した顎変形症患者6症例の硬組織および軟組織の術後変化と安定性について検討したので, これらの治療経過とともに報告する. 【症例】本学歯学部附属病院にて下顎枝矢状分割術とオトガイ形成術を併用して外科的矯正治療を行った顎変形症患者6症例(男性2症例, 女性4症例...

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 2003, Vol.13 (3), p.211-211
Hauptverfasser: 高木豊明, 佐竹秀太, 泰江章博, 谷本起穂, 猪熊健一, 堀内信也, 森山啓司
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【目的】顎変形症患者に対し, 下顎枝矢状分割術を用いて咬合の改善を図ることが多いが, オトガイ部の位置や形態が十分に改善されず下顔面部の審美的不満を訴える患者を経験することがある. このような症例に対して, オトガイ形成術を併用することは, 機能的, 審美的な面から有用と考えられる. 今回, われわれは下顎枝矢状分割術とオトガイ形成術を併用した顎変形症患者6症例の硬組織および軟組織の術後変化と安定性について検討したので, これらの治療経過とともに報告する. 【症例】本学歯学部附属病院にて下顎枝矢状分割術とオトガイ形成術を併用して外科的矯正治療を行った顎変形症患者6症例(男性2症例, 女性4症例)のうち, high angle(mandibular plane angle=35°以上)は3症例, low angle(mandibular plane angle=30°以下)は3症例であった. 術前(T1), 術後3か月~6か月(T2), 術後1年以上(T3)経過時の側面頭部X線規格写真を資料とし, FH平面を基準軸とする直交形座標系上で軟組織および硬組織の計測点を設定, 術前後の各計測点の水平および垂直方向の変化量を計測し, 軟組織形態の評価には距離および角度分析をおこなった. また, オトガイ部離断骨片の位置変化に関しては, mandibular planeを基準軸とし初診時のmentonを原点とした直交形座標軸を設定して下顎結合部上部と下顎下縁を重ね合わせてmentonからpogonionを結ぶ線分のT1-T3にかけての位置変化を調べて, オトガイ部離断骨片の安定性を検討した. 【考察およびまとめ】下顎枝矢状分割術とオトガイ形成術を併用した顎変形症患者6症例について, 下顔面の硬組織の形態変化は軟組織側貌の水平的および垂直的改善に有用であり, 術後1年以上経過時で安定していた. また, 全症例にオトガイ部離断骨片の位置変化はほとんど認められず, 安定した術後経過をたどることが示唆された.
ISSN:0916-7048