A-3-1.両側下顎枝矢状分割術における下顎骨近位骨片の内外側方向の変位に関する検討
【目的】両側下顎枝矢状分割術(BSSRO)は顎矯正手術において最も多用されている術式である. 本研究の目的はBSSROにおける下顎骨近位骨片の内外側方向の変位を明らかにすることである. 【方法】対象は当科でBSSROを行った骨格型下顎前突症19例(女性18例, 男性1例, 年齢15~32歳)である. 術前と術後半年以上を経過した時点で撮影した正面頭部X線規格写真を研究資料とし, 両側Go間距離および顔面正中に対する両側Goの距離の変化を計測した. 【結果】19症例の下顎の後退量は2~11mmであり, 後退量の左右差は0.5~7.5mmであった. 術前と比較した術後の両側Go間距離の変化量は-4...
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Veröffentlicht in: | 日本顎変形症学会雑誌 2003, Vol.13 (3), p.173-174 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】両側下顎枝矢状分割術(BSSRO)は顎矯正手術において最も多用されている術式である. 本研究の目的はBSSROにおける下顎骨近位骨片の内外側方向の変位を明らかにすることである. 【方法】対象は当科でBSSROを行った骨格型下顎前突症19例(女性18例, 男性1例, 年齢15~32歳)である. 術前と術後半年以上を経過した時点で撮影した正面頭部X線規格写真を研究資料とし, 両側Go間距離および顔面正中に対する両側Goの距離の変化を計測した. 【結果】19症例の下顎の後退量は2~11mmであり, 後退量の左右差は0.5~7.5mmであった. 術前と比較した術後の両側Go間距離の変化量は-4.3~+4.9mmで, 下顎の後退量との関連は認められなかった. 下顎非対称の程度と近位骨片の変位との検討では, 偏位側近位骨片のGoと顔面正中の距離は術前と比較して-2~+3.3mmの変化を示し, 下顎偏位量との関連は認められなかった. また非偏位側近位骨片のGoと顔面正中の距離は術前と比較して-4.3~+2.3mmの変化を示し, 偏位側と同様下顎変位量との関連は認められなかった. 【結論】今回の検討では, BSSROによる下顎近位骨片の内外側方向の変位と下顎骨の後退量および下顎骨の偏位量との間には全く関連が認められなかった. この結果は, BSSROによる下顎の移動量や移動方向が近位骨片の内外側方向の変位に与える影響は少なく, むしろ下顎骨の形態や分割状態の方が強い影響を持っていると考えられた. また, これまで指摘されているような下顎非対称症例における偏位側近位骨片の外側方向へのはねあがり現象もほとんど認められなかった. |
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ISSN: | 0916-7048 |