A-2-2.上顎後方移動術における側貌の変化(鼻唇角を中心に)
【はじめに】当科では上顎の前突, 臼歯のII級関係を示す症例の治療が増加している. 当科ではこの解決法として, 1)Le Fort I骨切り術に抜歯スペースを利用した上顎3分割(以下, 上顎3分割術), 2)Le Fort I骨切り術で翼状突起切離を行った上顎後方移動(以下, 上顎後方移動術), 3)Le Fort I骨切り術にSSROによる下顎前方移動を併用(以下, 上下顎移動術), などの3つの方法が施行されている. そこで, これらの個々の手術が顔貌に及ぼす影響を検索した. 【対象および方法】対象は, 過去5年間に, 同一術者によってLe Fort I型骨切り術を施行した患者99名のなか...
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Veröffentlicht in: | 日本顎変形症学会雑誌 2003, Vol.13 (3), p.171-172 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【はじめに】当科では上顎の前突, 臼歯のII級関係を示す症例の治療が増加している. 当科ではこの解決法として, 1)Le Fort I骨切り術に抜歯スペースを利用した上顎3分割(以下, 上顎3分割術), 2)Le Fort I骨切り術で翼状突起切離を行った上顎後方移動(以下, 上顎後方移動術), 3)Le Fort I骨切り術にSSROによる下顎前方移動を併用(以下, 上下顎移動術), などの3つの方法が施行されている. そこで, これらの個々の手術が顔貌に及ぼす影響を検索した. 【対象および方法】対象は, 過去5年間に, 同一術者によってLe Fort I型骨切り術を施行した患者99名のなかで, 上顎前突と診断され, 資料が整った23名である. その内訳は, 上顎3分割群7例, 上顎後方移動群8例, 上下顎移動術群8例の計23例で, 全例にオトガイ形成術が併用されていた. 調査項目は, 側貌の5つの審美三角と, 側貌の3つの審美突出距離で, それぞれの計測値を術前後で比較し, paired T-testで統計学的に観察した. 【結果】全症例の審美三角の術前後の結果では, 顔面に対する鼻尖の突出が5%の危険率で有意に減少しており, 同様の傾向が, 上顎後方移動群で現れ, 顔面に対して鼻尖が有意に後方へ移動していた. 上顎3分割群と上顎後方移動術群は, E-lineに対する上下口唇の位置が有意に改善されていた. しかし, 上下顎移動術では, 全例にオトガイ形成術が併用されているにも関わらず, 上下口唇の有意な変化はみられなかった. |
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ISSN: | 0916-7048 |