多数歯欠損を伴う骨格性下顎前突症の1例
「緒言」外科的矯正治療においては, 綿密な計画のもとに術前矯正治療を行い, 手術後の安定した咬合を獲得することが重要である. しかし近年, 外科的矯正治療が普及するとともに, 年齢, 口腔内状態の多様な患者が来院することが考えられる. 多数歯欠損もその一つで, 手術後に安定した咬合が得られないことが予測される場合には, 治療目標や手術方法などに特別の配慮を必要とする. 顎変形症に伴う不正咬合や顎機能異常は, 適応能力因子, う蝕・歯周病因子, 加齢因子とともに, 咬合の破綻・崩壊に関わる危険因子のひとつと見なすことができ, それぞれの危険因子が単独で存在する場合には社会生活上, 支障となるほど...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本顎変形症学会雑誌 2003/04/15, Vol.13(1), pp.59-66 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「緒言」外科的矯正治療においては, 綿密な計画のもとに術前矯正治療を行い, 手術後の安定した咬合を獲得することが重要である. しかし近年, 外科的矯正治療が普及するとともに, 年齢, 口腔内状態の多様な患者が来院することが考えられる. 多数歯欠損もその一つで, 手術後に安定した咬合が得られないことが予測される場合には, 治療目標や手術方法などに特別の配慮を必要とする. 顎変形症に伴う不正咬合や顎機能異常は, 適応能力因子, う蝕・歯周病因子, 加齢因子とともに, 咬合の破綻・崩壊に関わる危険因子のひとつと見なすことができ, それぞれの危険因子が単独で存在する場合には社会生活上, 支障となるほどの咬合の破綻を生じる危険性は低い. しかし, 顎変形症に他の危険因子が重複した場合には, 咬合の破綻は咬合の崩壊まで進行し, 外科的矯正治療を組み入れた包括的歯科治療による咬合の再構成が必要となる1). 今回われわれは, う蝕および歯周疾患で多数歯欠損となったため, 手術後の安定した咬合を獲得することが困難と考えられた顎変形症患者について, 外科的矯正治療を行った結果, 良好な成績が得られたので報告する. |
---|---|
ISSN: | 0916-7048 1884-5045 |
DOI: | 10.5927/jjjd1991.13.59 |