C-6-3.顎変形症患者の顎機能評価-初診時から保定時にわたる長期評価
【目的】外科的矯正治療患者における術前, 術後の顎機能評価に関する研究は多くなされているが, 保定治療中の咬合調整まで機能評価した研究は少ない. 今回われわれは, 顎変形症患者における顎機能の変化を, 咀嚼筋について健常咬合者と比較し長期経過を追った. 【方法】被験者は, 下顎枝矢状分割術を施行した下顎の過成長との偏位(右側へ8.5mm)を伴う顎変形症患者(女性, 初診時年齢17.0歳)と健常咬合者群(女性16人, 平均年齢21.7歳)とした. 顎変形症患者の初診時, 顎矯正手術後6カ月, 顎矯正治療後1年, および保定期間中の咬合調整前後の咀嚼筋の活動電位を測定し, 健常咬合者群と比較検討し...
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Veröffentlicht in: | 日本顎変形症学会雑誌 2002, Vol.12 (3), p.158-158 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】外科的矯正治療患者における術前, 術後の顎機能評価に関する研究は多くなされているが, 保定治療中の咬合調整まで機能評価した研究は少ない. 今回われわれは, 顎変形症患者における顎機能の変化を, 咀嚼筋について健常咬合者と比較し長期経過を追った. 【方法】被験者は, 下顎枝矢状分割術を施行した下顎の過成長との偏位(右側へ8.5mm)を伴う顎変形症患者(女性, 初診時年齢17.0歳)と健常咬合者群(女性16人, 平均年齢21.7歳)とした. 顎変形症患者の初診時, 顎矯正手術後6カ月, 顎矯正治療後1年, および保定期間中の咬合調整前後の咀嚼筋の活動電位を測定し, 健常咬合者群と比較検討した. 筋活動電位の測定にはK6-1ダイアグノスティックシステムを用いた. 咬合調整は1カ月ごとに合計3回行った. 咬合接触点をブラックシリコンで, 咬合バランスをT-スキャンII(咬合面圧分布測定システム)にて確認して行い, 調整前後のオクルーディングタイムを算出した. 【結果および考察】咬筋, 側頭筋のバランスは, 経年的に変化した. 健常咬合者との間の相関性は認められなかった. 咬合調整を重ねるごとにオクルーディングタイムの減少傾向が認められた. 今回の症例において, 咀嚼筋のバランスが健常咬合者に近づくとはいえなかった. しかし, 顎機能は動的治療中のみならず, 保定期間中にも変化することが分かった. よって, 保定期間中にも咬合調整など積極的なアプローチを行うことで, より安定した咬合状態を確立できる可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0916-7048 |