C-5-3.von Recklinghausen病患者に発現した顔面非対称に対して口内型骨延長装置による下顎骨延長術を行った1例

今回, われわれはvon Recklinghausen病患者に発現した顔面非対称に対して口内型骨延長装置を応用した下顎骨延長術を行ったところ, 比較的良好な顔貌形態と咬合が得られた1例を経験したのでその概要を報告する. 患者は13歳女性で, 3歳時に某形成外科にてvon Recklinghausen病と診断され経過観察を行っていた. 平成6年近医歯科において左側下顎臼歯部のX線透過像を指摘され, 平成10年7月27日神経線維腫症の診断下に, 左側下顎大臼歯の抜去および顎骨腫瘍切除術が施行された. 術後の治癒経過は良好であったが, 不正咬合ならびに顔貌の非対称が認められたため, 精査加療目的に平...

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 2002, Vol.12 (3), p.157-157
Hauptverfasser: 須賀賢一郎, 西堀陽平, 内山健志, 白石圭, 山口秀晴, 齊藤力, 渡辺千秋
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:今回, われわれはvon Recklinghausen病患者に発現した顔面非対称に対して口内型骨延長装置を応用した下顎骨延長術を行ったところ, 比較的良好な顔貌形態と咬合が得られた1例を経験したのでその概要を報告する. 患者は13歳女性で, 3歳時に某形成外科にてvon Recklinghausen病と診断され経過観察を行っていた. 平成6年近医歯科において左側下顎臼歯部のX線透過像を指摘され, 平成10年7月27日神経線維腫症の診断下に, 左側下顎大臼歯の抜去および顎骨腫瘍切除術が施行された. 術後の治癒経過は良好であったが, 不正咬合ならびに顔貌の非対称が認められたため, 精査加療目的に平成11年8月30日当科を受診した. 初診時, オトガイは患側に偏位しており, overbite3.5mm, overjet5.0mm, 上下顎正中線は7.0度と著明な顔貌の非対称を呈していた. 骨格性顔面非対称と診断し, 下顎仮骨延長術による顎矯正手術を計画, 術前矯正治療の後, 平成12年4月7日, 全身麻酔下に左側下顎臼歯部骨体部骨切りおよび口内型骨延長装置(Martin社製MOD system)の装着を行った. 骨延長は5日間のlatency periodの後1日1mm計15mm延長を図かり, 約120日の待機期間を経て骨延長装置を除去, 通常の術後矯正治療を行った. 術後2年3カ月経過しているが, 骨延長部の骨形成は良好で, 左側下顎大臼歯欠損部に比較的維持安定性の良い義歯が装着され, 良好な咬合が得られている. 今後, 残存する顔面軟組織の非対称に対してaugumentationを予定している.
ISSN:0916-7048