1-A-1-5.唇顎口蓋裂に伴う上顎劣成長の改善にREDシステムを応用した1例

唇顎口蓋裂患者は, 形成術後に上顎の劣成長をきたすことが多い. 今回, 上顎劣成長の著明な症例に対して, Le Fort I型骨切り後, Rigid External Distraction(RED)Systemを用いて仮骨延長を行い, 下顎の後退術を併用することなく咬合機能と審美性の両面に著明な改善の得られた1例を経験したので, その概要を報告した. 患者(18歳, 女性)は, 左側唇顎口蓋裂のため, 生後6カ月時に口唇形成術を, また1歳11カ月時に, 通常のpush back法によって口蓋形成術を行った. 上顎の劣成長のため, 側貌は, 陥凹型を示し, SNA65.3°, ANB-8.7...

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 2002, Vol.12 (3), p.125-125
Hauptverfasser: 東森秀年, 二宮嘉昭, 井上伸吾, 杉山勝, 石川武憲, 長岡敬子, 田中栄二, 丹根一夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:唇顎口蓋裂患者は, 形成術後に上顎の劣成長をきたすことが多い. 今回, 上顎劣成長の著明な症例に対して, Le Fort I型骨切り後, Rigid External Distraction(RED)Systemを用いて仮骨延長を行い, 下顎の後退術を併用することなく咬合機能と審美性の両面に著明な改善の得られた1例を経験したので, その概要を報告した. 患者(18歳, 女性)は, 左側唇顎口蓋裂のため, 生後6カ月時に口唇形成術を, また1歳11カ月時に, 通常のpush back法によって口蓋形成術を行った. 上顎の劣成長のため, 側貌は, 陥凹型を示し, SNA65.3°, ANB-8.7°, overjet-10mm, overbite-4mmであった. 正貌は, ほぼ左右対称であった. 今回の術式は, Le Fort I型骨切り後, 上顎骨牽引のため, REDシステムを装着し, 術後6日目より, 一日当り約1.0mmの速度で20日間延長を計った. 最終的に右側10mm, 左側16mmの前方移動をさせた後, その状態で1カ月間固定を行った. その後, 骨延長器を除去し, さらに4カ月間の術後矯正を行った. そのうち前半の2カ月間は, フェイシャルマスクを併用した. この時点で, SNA72.8°, ANB-0.2°, overjet3mm, overbite1mmとなり, 側貌と咬合は著明に改善し, 経過は, 極めて良好であった. Le Fort I型骨切り後, 上顎骨の一期的前方移動を行う場合には, 充分な移動量が獲得できないこともあるが, 仮骨延長法を応用することにより, 唇顎口蓋裂を伴った患者でも10mm以上の移動量を得ることが可能となり, 極めて有用な手法となることが再確認された. 質問 香川県立中央病院, 口外 三次正春 移動量の計測点は. 回答 広島大, 顎口腔頸部医科学 東森秀年 616の歯牙を基準として計測しました. 質問 氏名不詳構音障害の評価はしているか. 回答 広島大, 顎口腔頸部医科学 東森秀年 当院では, 言語治療室で, 専門のstaffが治療にあたっています. 今回, 術後構音障害の増悪は特にみられませんでした.
ISSN:0916-7048