P-4-11-4.顎関節症状を伴った下顎後退症に下顎枝矢状分割術と関節鏡視下手術による一治験例

今回, 顎位が不安定で且つ顎関節部に疼痛を訴えて来院した下顎後退症患者に対して下顎枝矢状分割術後, 顎関節部の疼痛に対しては鏡視下剥離授動術を行い, 良好な結果を得たので報告する. 患者:22歳, 女性. 初診日:平成7年3月3日. 現病歴:初診の5カ月前より右側顎関節部に疼痛を自覚. その後左側にも疼痛が出現し, 1カ月前から左側の疼痛の範囲は側頭部にも拡大したため来院した. 現症:顔貌は左右対称性で, オトガイ部は後退している. 咬合はAngle II級I類で, 中心位より6mm程度前方位にて上下顎歯列の最大接触面積が獲得できているが, 咬合は不安定であり, 習慣的切端咬合の習癖が見られた...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 2001, Vol.11 (2), p.164-164
Hauptverfasser: 岡上真裕, 堀稔, 岩成進吉, 田中博, 関和忠信, 佐藤廣, 高橋道義
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:今回, 顎位が不安定で且つ顎関節部に疼痛を訴えて来院した下顎後退症患者に対して下顎枝矢状分割術後, 顎関節部の疼痛に対しては鏡視下剥離授動術を行い, 良好な結果を得たので報告する. 患者:22歳, 女性. 初診日:平成7年3月3日. 現病歴:初診の5カ月前より右側顎関節部に疼痛を自覚. その後左側にも疼痛が出現し, 1カ月前から左側の疼痛の範囲は側頭部にも拡大したため来院した. 現症:顔貌は左右対称性で, オトガイ部は後退している. 咬合はAngle II級I類で, 中心位より6mm程度前方位にて上下顎歯列の最大接触面積が獲得できているが, 咬合は不安定であり, 習慣的切端咬合の習癖が見られた. 開口量は35mm. 顎関節X線規格写真では, 閉口時, 左側下顎頭は関節窩の中央, 右側は下顎窩の前方に位置していた. セファロ分析:facial angle79.5, Convexity26.0, SNA80.5, SNB69.0, ANB11.5. 診断:顎関節内障および下顎後退症. 処置および経過:中心位と習慣性咬合位のずれが著しく大きいため術前矯正治療, 顎矯正手術, 術後矯正治療を施行し, 二次治療として関節鏡視下手術を行った. 現在術後6カ月経過し, 咬合は概ね安定し, 顎関節ならびに側頭部の疼痛は消失している.
ISSN:0916-7048