P-3-4-2.当科における口唇口蓋裂患者の外科的矯正治療

【はじめに】口唇口蓋裂患者は, しばしば口蓋形成術後の瘢痕組織により上顎の劣成長を伴う. 今回, われわれは, これらの患者に対し, 外科的矯正治療を行ったので報告した. 【症例】反対咬合に起因する咬合不全と審美的問題を主訴とした3症例(男性1例, 女性2例)に, 術前矯正治療を行った後, 上下顎移動術を施行した. 手術は, 上顎にLe Fort I型骨切り術, 下顎は下顎枝矢状分割法を行い, 骨片固定にはMiniplateを用いた. 3症例の歯科矯正治療開始時年齢は18歳0カ月, 術前矯正治療期間は平均2年4カ月, 手術時年齢は20歳4カ月, 顎間固定期間は8日間であった. 各症例について,...

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 2001, Vol.11 (2), p.154-154
Hauptverfasser: 天願俊泉, 平塚博義, 儀間裕, 喜舎場学, 新垣敬一, 比嘉努, 砂川元, 山内昌浩
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【はじめに】口唇口蓋裂患者は, しばしば口蓋形成術後の瘢痕組織により上顎の劣成長を伴う. 今回, われわれは, これらの患者に対し, 外科的矯正治療を行ったので報告した. 【症例】反対咬合に起因する咬合不全と審美的問題を主訴とした3症例(男性1例, 女性2例)に, 術前矯正治療を行った後, 上下顎移動術を施行した. 手術は, 上顎にLe Fort I型骨切り術, 下顎は下顎枝矢状分割法を行い, 骨片固定にはMiniplateを用いた. 3症例の歯科矯正治療開始時年齢は18歳0カ月, 術前矯正治療期間は平均2年4カ月, 手術時年齢は20歳4カ月, 顎間固定期間は8日間であった. 各症例について, 術前後の側面頭部X線規格写真の分析を行い, 側貌の判定および上下顎の関係の変化を比較検討した. また, 症例2, 3ともに, 成人症例に対する顎裂部へ腸骨移植術も行い, 上顎歯列弓の安定を図った. 【結果】外科的矯正治療を行った3症例のうち, 症例1の側貌および咬合の変化は, 主に下顎骨の移動によるところが大きく, 症例2は, 術後の上下顎骨の変化が比較的大きかったが, 移植術を同時に行った移植腸骨は骨架橋を確認することができた. 症例3は, 移動術9カ月前に行った移植腸骨は生着することはなかったが, 上下顎骨の後戻りは少なかった. しかし, 術後, まだ間もないことから, 今後, 注意深く様子を観察する必要があると思われた. 3症例とも, 咬合関係の改善が得られ, 審美的にも良好な結果が獲得できた.
ISSN:0916-7048