2-1-AM3-1.下顎枝矢状分割術後の下顎頭位の3D-CTによる経過観察

下顎枝矢状分割術直後の下顎頭の位置ならびに回転の変化を3D-CTで観察すると, 下顎頭の上下的, 前後的位置変化は比較的少ない. しかしながら, 下顎頭は正面方向からみると外方に傾斜する傾向で, 下面からの観察では, 下顎頭の水平的回転は外側極が前方に移動するように回転していた. この回転の要因は分割術時に生じる近遠位骨片間に生じるギャップと下顎枝の形態が関与していることが推察された. 今回, 下顎枝矢状分割術によって生じた下顎頭の変化のその後の経過を3D-CTを用いて検討した. 方法は, 術後約1週間と約6カ月に撮影した3D-CTを上顎骨, 頬骨, 側頭骨を基準に術前のCTと重ね合わせ, 下...

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 2001, Vol.11 (2), p.131-131
Hauptverfasser: 大嶽基, 中川洋一, 石井久子, 浅田洸一, 石橋克禮, 小林馨, 平下斐雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:下顎枝矢状分割術直後の下顎頭の位置ならびに回転の変化を3D-CTで観察すると, 下顎頭の上下的, 前後的位置変化は比較的少ない. しかしながら, 下顎頭は正面方向からみると外方に傾斜する傾向で, 下面からの観察では, 下顎頭の水平的回転は外側極が前方に移動するように回転していた. この回転の要因は分割術時に生じる近遠位骨片間に生じるギャップと下顎枝の形態が関与していることが推察された. 今回, 下顎枝矢状分割術によって生じた下顎頭の変化のその後の経過を3D-CTを用いて検討した. 方法は, 術後約1週間と約6カ月に撮影した3D-CTを上顎骨, 頬骨, 側頭骨を基準に術前のCTと重ね合わせ, 下顎頭位を比較した. 下顎前突症に対する下顎枝矢状分割術はObwegeser法に準じておこない, 特別な外側骨片の復位法は用いず, プレート固定をおこなった. CT装置は日立メディコ社製PRIMAであり, ワークステーションULTRA2(sun micro systems), イメージソフトはVIP stationを用いボリュームレンダリング法で三次元再構成をおこなった. 7症例について, 術後1週間と6カ月のそれぞれの画像の計測値の差をみた. その結果, 下面から観察した下顎頭の水平的回転と正面方向からみた下顎頭の外方傾斜は, 6カ月後の所見は, 約半数では術直後と同じ値であったが, 半数では術前の角度に戻る傾向を示した. 6カ月後の下顎頭の前後的, 上下的変化は, 半数は術直後と同じ値であったが, 変化があった半数ではその方向性に一定の傾向が見られなかった.
ISSN:0916-7048