1-2-PM1-2.下顎骨歯槽部の外科的な幅径拡大により鋏状咬合の改善を行った1例

永久歯列の鋏状咬合は矯正治療が非常に困難であり, 特に成人では顔面骨格系の完成と咬合高径の定着によって, 治療法の選択にすら苦慮する場合が多い. 今回, われわれは片側性の鋏状咬合を呈していた患者に対して, 下顎骨歯槽部のコルチコトミーによる外科的な幅径拡大を行った症例を経験したので報告する. 患者:23歳, 女性. 歯列不正の改善を主訴に近医矯正歯科を受診. 歯科矯正治療のみでは片側性の鋏状咬合の治療は困難と診断され, 外科的な手技による改善を目的に当科を紹介, 受診した. 現症:上下顎前歯部の歯槽性前突と叢生, 左側第一大臼歯の欠損と第一小臼歯から第三大臼歯にかけての重度の鋏状咬合を認めた...

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 2001, Vol.11 (2), p.126-126
Hauptverfasser: 瀬川篤典, 横江義彦, 高橋克, 楠元貴司, 中村信一郎, 飯塚忠彦, 荻野茂
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:永久歯列の鋏状咬合は矯正治療が非常に困難であり, 特に成人では顔面骨格系の完成と咬合高径の定着によって, 治療法の選択にすら苦慮する場合が多い. 今回, われわれは片側性の鋏状咬合を呈していた患者に対して, 下顎骨歯槽部のコルチコトミーによる外科的な幅径拡大を行った症例を経験したので報告する. 患者:23歳, 女性. 歯列不正の改善を主訴に近医矯正歯科を受診. 歯科矯正治療のみでは片側性の鋏状咬合の治療は困難と診断され, 外科的な手技による改善を目的に当科を紹介, 受診した. 現症:上下顎前歯部の歯槽性前突と叢生, 左側第一大臼歯の欠損と第一小臼歯から第三大臼歯にかけての重度の鋏状咬合を認めた. 処置および経過:まず上顎臼歯部の挺出に対して臼歯部歯槽骨切り術による圧下を行った. 下顎は下歯槽神経が歯根尖に近接していたため完全な骨切りは行わず, コルチコトミーに止めてdistractionに準じた幅径拡大を行うこととした. 術後3日目より下顎歯列の舌側に設置したディバイスによる拡大を開始し, 正常な被蓋が得られた段階で拡大を中止した. 治療開始後8カ月後の現在も矯正治療中であるが, 下歯槽神経領域の知覚鈍麻もなく, 経過良好である. 質問 神戸市立中央市民病院, 歯口外 古谷昌裕 歯槽部水平骨切りは舌側まで行うのでしょうか. 行わない場合でも骨片は移動するのでしょうか. 回答 京大, 医, 口外 横江義彦 水平骨切りは骨髄に達するまでとし, 垂直骨切りは歯槽部のみとした. 骨切り後骨端間にて分割操作を行っている. 質問 慈恵医大, 歯科 田辺晴康 水平骨切り部位の位置はどのようにして決めたのか.
ISSN:0916-7048