1-2-AM3-2.上顎正中口蓋縫合部骨切術を用いた急速上顎拡大の検討

【緒言】矯正治療において, 上顎歯列弓の狭窄症例に対し, 上顎拡大装置を用いて拡大する方法が行われている. しかし, 成人の場合, 正中口蓋縫合の離開は起こらず, 固定源となる歯の頬側傾斜や歯根吸収を起こし, 上顎の側方拡大が充分に得られない場合がある. そこで, 矯正治療期間の短縮や後戻り防止のためにも, 最も抵抗の大きな頬骨上顎縫合部と正中口蓋縫合部における骨切り術が併用されている. 今回われわれは, 成人の急速上顎拡大に際し上顎正中口蓋縫合部骨切りのみで十分な側方拡大が得られたので, 本術式と治療成績についてその概要を報告する. 【対象】1995年2月から1999年3月までに, 国立栃木...

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 2001, Vol.11 (2), p.124-124
Hauptverfasser: 内山公男, 青山大樹, 下村絵美, 村岡渡, 大塚友乃, 今谷哲也, 宇津照久
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【緒言】矯正治療において, 上顎歯列弓の狭窄症例に対し, 上顎拡大装置を用いて拡大する方法が行われている. しかし, 成人の場合, 正中口蓋縫合の離開は起こらず, 固定源となる歯の頬側傾斜や歯根吸収を起こし, 上顎の側方拡大が充分に得られない場合がある. そこで, 矯正治療期間の短縮や後戻り防止のためにも, 最も抵抗の大きな頬骨上顎縫合部と正中口蓋縫合部における骨切り術が併用されている. 今回われわれは, 成人の急速上顎拡大に際し上顎正中口蓋縫合部骨切りのみで十分な側方拡大が得られたので, 本術式と治療成績についてその概要を報告する. 【対象】1995年2月から1999年3月までに, 国立栃木病院歯科口腔外科にて上顎正中口蓋縫合部骨切り術を施行した22例である. 性別は, 男性6例, 女性16例で, 年齢は16歳~28歳で平均22.0歳であった. 【結果】拡大開始までの待機期間は, 術後7~40日(平均13.8日)であった. 拡大期間は, 10~20日間(平均13.2日間). 拡大量は, 全例1日0.4mmで, 拡大装置のscrewの位置で4.0~8.4mm(平均5.4mm), 上顎中切歯間で0~3.8mm(平均1.8mm), 第1大臼歯間で3.0~8.0mm(平均5.2mm)であった. 固定期間は, ほぼ6カ月以内で, 平均149日であった. なお, 全例とも固定終了後の後戻りはなかった. 質問 大阪歯大, 口外I 久保誼修1. 本手術術式の目的は, どのような症例に対して応用されるのでしょうか. 2. 側方歯の頬側の歯槽骨の吸収の有無の確認はされましたか. 回答 国立栃木病院, 歯口外 内山公男 1. 本術式の目的は, 主に側方歯群の側方拡大であります. 2. 本症例においては, 拡大後に側方歯群歯根の上顎頬側骨側への突出はみられませんでした.
ISSN:0916-7048