2-C-2.上顎骨骨切り術を行った開咬症例の検討II-術前直後の形態的変化
北海道大学歯学部附属病院では顎変形症症例に対し, 口腔外科補綴科矯正科の3科によるチームアプローチを行い, 安定した咬合desirable occlusion(D. 0. )を得ることを治療目標としてきた. 術後の安定を得ることが困難な顎変形症の一つである骨格性開咬症例に対して, 下顎骨のみの顎矯正手術を施行した場合の治療成果を第4回本学会にて報告した. その結果, 下顎骨を反時計回りに3mm(6°)を越えて回転を加えた症例では術後のD. 0. の確保が困難であったことを明らかにした. そこで今回われわれは, 術前に予測された下顎の回転量が6°を越える症例に対し回転量を減少させる目的で上下顎移...
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Veröffentlicht in: | 日本顎変形症学会雑誌 2000, Vol.10 (2), p.206-206 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 北海道大学歯学部附属病院では顎変形症症例に対し, 口腔外科補綴科矯正科の3科によるチームアプローチを行い, 安定した咬合desirable occlusion(D. 0. )を得ることを治療目標としてきた. 術後の安定を得ることが困難な顎変形症の一つである骨格性開咬症例に対して, 下顎骨のみの顎矯正手術を施行した場合の治療成果を第4回本学会にて報告した. その結果, 下顎骨を反時計回りに3mm(6°)を越えて回転を加えた症例では術後のD. 0. の確保が困難であったことを明らかにした. そこで今回われわれは, 術前に予測された下顎の回転量が6°を越える症例に対し回転量を減少させる目的で上下顎移動術を行った開咬症例について, Angle II級群(4例)とIII級群(5例)に分けての術前後の形態変化を検討した. 資料は術前(T1), 術直後(T2), および術後6ヵ月以上(T3)の3時点での側面セファロを用いた. その結果, ANBはT1-T2間でII級群が平均0.5°の減少, III級群が平均4.2°の増加がみられ, T2-T3間でII級群が平均0.4°,III級群が平均0.9°の減少がみられた. 前顔面高ではT1-T2間でII級群が平均1.5mm, III級群が平均1.0mm減少し, T2-T3間ではII級群で平均1.2mm, III級群で平均1.5mmさらに減少していた. 上顎咬合平面ではT1-T2間でII級群が平均 6.1°, III級群が平均4.8°の時計回りの回転がみられ, T2-T3間ではII級群がほとんど変化がなかったのに対して, III級群は平均 0.8°反時計回りに回転していた. 下顎下締平面はT1-T2間にII 級群で平均5.9°, III級群で平均2.9°の反時計回りの回転がみられたが, T2-T3間ではII級群が1.6°時計回りに回転していたのに対して, III級群は平均1.1°反時計回りに回転していた. |
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ISSN: | 0916-7048 |