2-B-13. Obwegeser II法を用いた下顎前突症治療
下顎前突症に対する顎矯正手術においてはさまざまな手術術式が報告されてきた. われわれの施設では手術術式の安全性や適応の広さから, 下顎前突症や骨格性開咬のほとんどの症例に下顎枝矢状分割術, 高度な顎変形症に対しては上下顎移動術を適用している. しかし口唇口蓋裂患者で上顎の前方移動によって鼻咽腔閉鎖不全が惹起される可能性のある症例や, 上顎の前方移動が好ましくないと思われる症例で, 開咬をともない15mmをこえる下顎骨後退を必要とするような高度な下顎前突症例では下顎枝矢状分割術は適応しがたいと考えられる. このような症例に対してObwegeserは下顎前突症手術第II法として, 口腔内から下顎枝...
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Veröffentlicht in: | 日本顎変形症学会雑誌 2000, Vol.10 (2), p.203-203 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 下顎前突症に対する顎矯正手術においてはさまざまな手術術式が報告されてきた. われわれの施設では手術術式の安全性や適応の広さから, 下顎前突症や骨格性開咬のほとんどの症例に下顎枝矢状分割術, 高度な顎変形症に対しては上下顎移動術を適用している. しかし口唇口蓋裂患者で上顎の前方移動によって鼻咽腔閉鎖不全が惹起される可能性のある症例や, 上顎の前方移動が好ましくないと思われる症例で, 開咬をともない15mmをこえる下顎骨後退を必要とするような高度な下顎前突症例では下顎枝矢状分割術は適応しがたいと考えられる. このような症例に対してObwegeserは下顎前突症手術第II法として, 口腔内から下顎枝近位骨片を口腔外に取り出し, 下歯槽神経血管束を保存して下顎角部で遠位骨片の骨を切除する手術方法を発表している. われわれは高度な下顎前突症7例に対してObwegeserの下顎前突症手術第II法を適用した. 本手術法は手術操作が煩雑ではあるが, 高度な顎変形症においても術後良好な結果を得ることができ, 有用性の高い術式であることが示された. 質問 ロイヤル矯正歯科 鶴田仁史 Obwegeser II法と従来の術式とを比較して, 術後の後戻り量や安定性に差は認められましたか. 回答 大阪大歯2口外 南克浩 本術式を適用した症例は上下顎骨のdiscrepancyまで大きく, open biteも有しており, SSROでは従来後戻りが懸念された症例です. このような症例においても術後の後戻りも少なく優れた安定性を示しています. SSRO群との数値的な比較については今後行いたいと考えています. |
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ISSN: | 0916-7048 |