1-B-12.口蓋裂患者に対する上顎前方移動術が鼻咽腔閉鎖機能に及ぼす影響について
今回私達は, 口蓋製術後症例のLe Fort I型骨切り術施行による鼻咽腔閉鎖機能に及ぼす影響を明らかにすることを目的として, 術前後での側面頭部X線規格写真を用い検討した. 対象は Le Fort I型骨切り術によって3mm以上の前方移動を行った口蓋裂患者11症例とし, 非口蓋裂群(正常群)11症例と比較検討した. 方法:術前と術後3ヵ月以上で撮影した安静時側面頭部X線規格写真を用い, 1:PNSの前方移動量, 2:軟口蓋傾斜角, 3:咽頭の深さ, 4:軟口蓋長, 5:咽頭後壁と軟口蓋の最短距離を測定した. 結果:前方移動量は口蓋裂群で4.6mm, 正常群で5.1mmであった. 軟口蓋傾斜角...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本顎変形症学会雑誌 2000, Vol.10 (2), p.184-184 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 今回私達は, 口蓋製術後症例のLe Fort I型骨切り術施行による鼻咽腔閉鎖機能に及ぼす影響を明らかにすることを目的として, 術前後での側面頭部X線規格写真を用い検討した. 対象は Le Fort I型骨切り術によって3mm以上の前方移動を行った口蓋裂患者11症例とし, 非口蓋裂群(正常群)11症例と比較検討した. 方法:術前と術後3ヵ月以上で撮影した安静時側面頭部X線規格写真を用い, 1:PNSの前方移動量, 2:軟口蓋傾斜角, 3:咽頭の深さ, 4:軟口蓋長, 5:咽頭後壁と軟口蓋の最短距離を測定した. 結果:前方移動量は口蓋裂群で4.6mm, 正常群で5.1mmであった. 軟口蓋傾斜角は, 術前後で蓋裂群で4.9°, 正常群で5.9°減少し, 術前後で軟口蓋傾斜角が減少する傾向が認められた. 軟蓋長は, 口蓋裂群で2.8mm伸長したのに対し, 正常群では3.9mm伸長し, 正常群で伸長する傾向が強かった. 咽頭の深さは, 口蓋裂群で2.8mm, 正常群で5.5mm拡大し, 口蓋裂群での拡大率が少なかった. 軟口蓋と咽頭後壁の最短距離の術前後での変化は, 口蓋裂群で0.7mm, 正常群で0.5mmとなり, 術前後での同距離に有意な変化を認めなかった. まとめ:口蓋裂群では上顎骨前方移動により, 口蓋部の手術瘢痕のためか, 正常群に比べ, 咽頭部の深さの増大は少ないものの軟口蓋長の変化も少なくなった. 質問 東京歯大矯正 山口秀晴 鼻咽腔閉鎖機能の検査方法は何をしましたか. 質問 東京歯大口外II 渡辺一 鼻咽腔閉鎖機能の評価をするにあたり, 安静時のみではなく機能時(発音時)の評価が必要かと思われますが, いかがでしょうか. 回答 新潟大歯2口外 鍛冶昌孝 今回は機能時の変化の評価は行っておりません. 今後検討していきたいと思います. |
---|---|
ISSN: | 0916-7048 |