両側性咬筋肥大症の1例
緒言 咬筋肥大症は, 炎症または腫瘍に由来することなく, 片側または両側の咬筋の肥大に伴って, 耳下腺咬筋部の膨隆および顔面の変形を主症状とする疾患である. 今回私達は両側性咬筋肥大症に対して, 口内法による咬筋切除および顎角形成術を施行し, 満足すべき結果を得たので報告する. 症例 患者:14歳, 女児. 初診:平成5年10月1日. 主訴:両側下顎角部が突出している. 家族歴:特記事項はなし. 既往歴:13歳時, バセドウ病の診断にてチアマゾールを処方され, 2年間服用した. その他, 特記事項はなし. 現病歴:中学校入学頃より両側下顎角部の突出感が目立つようになり, 切端咬合でもあったため...
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Veröffentlicht in: | 日本顎変形症学会雑誌 2000/08/15, Vol.10(2), pp.134-138 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 緒言 咬筋肥大症は, 炎症または腫瘍に由来することなく, 片側または両側の咬筋の肥大に伴って, 耳下腺咬筋部の膨隆および顔面の変形を主症状とする疾患である. 今回私達は両側性咬筋肥大症に対して, 口内法による咬筋切除および顎角形成術を施行し, 満足すべき結果を得たので報告する. 症例 患者:14歳, 女児. 初診:平成5年10月1日. 主訴:両側下顎角部が突出している. 家族歴:特記事項はなし. 既往歴:13歳時, バセドウ病の診断にてチアマゾールを処方され, 2年間服用した. その他, 特記事項はなし. 現病歴:中学校入学頃より両側下顎角部の突出感が目立つようになり, 切端咬合でもあったため, 平成5年4月本学矯正科を受診した. 同科より下顎角部の張り出しの加療につき, 当科紹介され初診した. なお, くいしばり, 片側 咀嚼の習癖はなかったが, 子供のころから歯ぎしりを指摘されていた. 現症:身長158cm, 体重56kg, 全身状態は良好. 口腔外所見では正貌にて頬部, 下顎角部の左右径が大きく, 強く咬合した際両側咬筋部が緊張し, 頬部および下顎角部の左右径がさらに増大した. 同部に圧痛は認めなかった. 口腔内所見では, 耳下腺乳頭からの唾液の流出は良好で, 同周囲の炎症所見は認めなかった. また, 耳下腺咬筋部, 頬部の双指診にて厚い筋肉様弾性軟の組織を触知した. なお, 咬合は前歯部切端咬合で一部に叢生を認めるがほぼ良好であった(Fig. 1). |
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ISSN: | 0916-7048 1884-5045 |
DOI: | 10.5927/jjjd1991.10.134 |