上顎急速拡大法に片側Le Fort I型Corticotomyを併用した非対称下顎前突の1症例
「緒言」骨格性下顎前突症は前後的な顎関係の異常から側方歯群に交叉咬合がよく認められる. この交叉咬合の改善は, 下顎骨の後方移動術単独かあるいは上顎骨の急速拡大法との併用で行われることが多い. 上顎急速拡大装置は成人では上顎骨を上外側に傾斜移動させることがあり, そのため成人症例では平行に拡大するためにコルチコトミー1-4)を併用することがある. Mossazら5)は, 上顎骨歯列弓幅径の狭窄側のより多くの拡大量を得る目的として, コルチコトミーを併用し, 良好な治療結果を得たことを報告している. そこで本症例の治療計画は, 急速拡大装置装着後, 右側上顎骨の頬側部のみにコルチコトミーを施し,...
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Veröffentlicht in: | 日本顎変形症学会雑誌 2000/04/15, Vol.10(1), pp.45-52 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」骨格性下顎前突症は前後的な顎関係の異常から側方歯群に交叉咬合がよく認められる. この交叉咬合の改善は, 下顎骨の後方移動術単独かあるいは上顎骨の急速拡大法との併用で行われることが多い. 上顎急速拡大装置は成人では上顎骨を上外側に傾斜移動させることがあり, そのため成人症例では平行に拡大するためにコルチコトミー1-4)を併用することがある. Mossazら5)は, 上顎骨歯列弓幅径の狭窄側のより多くの拡大量を得る目的として, コルチコトミーを併用し, 良好な治療結果を得たことを報告している. そこで本症例の治療計画は, 急速拡大装置装着後, 右側上顎骨の頬側部のみにコルチコトミーを施し, その直後に上顎骨の拡大を開始した上で, 術前矯正後下顎枝矢状分割術を行い, さらに術後矯正によって動的治療を終了することとした. 上顎骨急速拡大とコルチコトミーを併用した症例を詳細に分析した報告はない. 本症例ではオクルーソグラムを用いて拡大量を正確に把握するとともに手術方法にも工夫を加えたので報告する. 症例 主訴:上顎右側第二大臼歯の下顎歯肉への接触ならびに顔面非対称 初診時年齢:18歳9ヵ月 性別:女性 既往歴:8歳から12歳まで一般歯科開業医でアクチベーターにより下顎骨の前方, 側方偏位に対する治療を1年間行い, その後ブラケット装置とチンカップ装置による治療を行ったが症状が改善されなかったため患者側から装置の撤去を希望し, 治療を中断していた. |
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ISSN: | 0916-7048 1884-5045 |
DOI: | 10.5927/jjjd1991.10.45 |