両側下顎枝垂直骨切り術施行症例の顎間固定中および術後の下顎骨の位置変化と咬合の変化について

「緒言」口内法による下顎枝垂直骨切り術(Intraoral Vertical Ramus Osteotomy:以下IVRO)は下顎枝矢状分割術(Sagittal Splitting Ramus Osteotomy:以下SSRO)に比し, 術式が容易で下歯槽神経麻痺の出現がまれであり, また顎関節症の治療にも有用であることから, 顎矯正手術の一法として積極的に採用する施設も多くなりつつある1-4). その術後の安定性に関する報告はいくつか認められるものの, いずれも長期予後の検討のみであり5, 6), 顎間固定中や顎間固定解除直後を含めた下顎骨の位置変化や歯の変化についての詳細な報告は少ない....

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 2000/04/15, Vol.10(1), pp.11-17
Hauptverfasser: 福田, 純一, 高木, 律男, 鍛冶, 昌孝, 服部, 幸男, 河田, 匠, 境, 忠彦, 野村, 裕行, 花田, 晃治, 武藤, 祐一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」口内法による下顎枝垂直骨切り術(Intraoral Vertical Ramus Osteotomy:以下IVRO)は下顎枝矢状分割術(Sagittal Splitting Ramus Osteotomy:以下SSRO)に比し, 術式が容易で下歯槽神経麻痺の出現がまれであり, また顎関節症の治療にも有用であることから, 顎矯正手術の一法として積極的に採用する施設も多くなりつつある1-4). その術後の安定性に関する報告はいくつか認められるものの, いずれも長期予後の検討のみであり5, 6), 顎間固定中や顎間固定解除直後を含めた下顎骨の位置変化や歯の変化についての詳細な報告は少ない. 今回, 当科で両側にIVROを施行した下顎前突症症例を対象に, 術後の側面頭部X線規格写真を用い, 顎間固定中を含めた術後の下顎骨の位置変化と咬合の変化について検討した. 資料と方法 対象症例はSSROの影響を除外するため両側にIVROを施行した症例とし, うち, 資料の整った男性3例, 女性9例の計12例とした(Table 1). 手術時年齢は17歳から31歳で平均21.1歳. 診断は下顎前突症が5例, 下顎非対称を伴う下顎前突症が7例であった. 下顎後退量は0mmから8mmで, 平均4.6mm, 移動量の左右差は0mmから8mm, 平均4.2mmであった.
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd1991.10.11