1-C-19.当科における下顎枝矢状分割術の治療システム

下顎枝矢状分割術は適応の広さと安全性から広く用いられる手術法であるが, 骨接合法, 近位骨片復位および顎間固定の期間は術後成績に大きく影響すると考えられている. 当科では原則としてWurzburg systemを改良した, 操作の簡便な近位骨片復位システムを用い, スクリューによる骨接合を行っている. 顎間固定は患者の早期の社会復帰の点から術後約1週間とし, その後エラスティックによる顎位誘導を行っている. 1994年より1998年の間に下顎枝矢状分割術を行った下顎前突症153症例においては, 概ね良好な成績が得られている. 下顎前突症では通常over correctionの必要性を認めていな...

Ausführliche Beschreibung

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 1999, Vol.9 (2), p.136-137
Hauptverfasser: 塚本雄一, 森悦秀, 南克浩, 内田浩, 京本博行, 清水英孝, 伊藤尚史, 前田有美, 作田正義
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:下顎枝矢状分割術は適応の広さと安全性から広く用いられる手術法であるが, 骨接合法, 近位骨片復位および顎間固定の期間は術後成績に大きく影響すると考えられている. 当科では原則としてWurzburg systemを改良した, 操作の簡便な近位骨片復位システムを用い, スクリューによる骨接合を行っている. 顎間固定は患者の早期の社会復帰の点から術後約1週間とし, その後エラスティックによる顎位誘導を行っている. 1994年より1998年の間に下顎枝矢状分割術を行った下顎前突症153症例においては, 概ね良好な成績が得られている. 下顎前突症では通常over correctionの必要性を認めていないが, 下顎後退症においては, 術後の後戻りを考慮したover correctionの必要性が報告されている. しかし, over correctionの基準は明確ではない. 今回われわれは下顎後退症に対一L, 術前にスプリントを装着して下顎を中心位に安定させたところ, 予想したほどの後戻りがみられない症例を経験した. 術前矯正終了時に安定した術後咬合位と下顎位が得られていることが本治療法において重要であることが示唆された. 「質問」九州大・歯・口外 堀之内康文 固定法をプレートからスクリューに全面的に変更された理由は何ですか. 「回答」大阪大・歯・2口外 塚本雄一 プレート固定操作の複雑なこと, スクリュー固定操作の安易なこと, スクリュー固定後の安定性からスクリュー固定への変更を行いました. また, これにより顎間固定期間も1週間に短縮されました. 有意差はないもののスクリュー固定では時計回り, プレート固定では反時計回り, ワイヤー固定では後方への後戻り傾向が見られました. 「質問」日本大・松戸歯・頭頸外 大峰浩隆 下顎後退症患者において, 術後, 後戻りをおこしやすい症例の基準, ポイントがありましたら御教示下さい. 「回答」大阪大・歯・2口外 塚本雄一 下顎後退症の症例数が少なくその原因については今回調べておりません. 今回発表した症例については術前中心位を確定し, また近位骨片復位システムで確実にそれを再現したため術後の後戻りが出現しなかったと考えます.
ISSN:0916-7048