2-A-23.外科矯正手術前後の下顎頭,下顎枝形態ならびに関節円板位の変化に関する臨床的検討

顎顔面形態, 咬合ならびに顎関節機能の改善を目的に顎変形症に対する手術法を選択する際には顎顔面形態のみでなく顎関節症状の有無について検討を加える必要がある. 顎関節症状の変化の要因としては術後の下顎頭の位置変化が考えられ, また下顎枝の矢状面における角度変化により下顎頭の関節機能面が変化することも1つの要因と推察される. これらにより術前後の下顎頭と関節円板の相対的位置変化が生じることが予想される. 今回われわれは当科において平成6年7月から平成10年12月までの間に顎矯正外科手術を施行した患者のうち著しい顔面非対称を伴わない両側下顎枝矢状分割術あるいは両側下顎枝垂直骨切り術を施行した男性6例...

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 1999, Vol.9 (2), p.92-93
Hauptverfasser: 鶴迫有子, 出村昇, 服部浩朋, 鶴迫伸一, 瀬上夏樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:顎顔面形態, 咬合ならびに顎関節機能の改善を目的に顎変形症に対する手術法を選択する際には顎顔面形態のみでなく顎関節症状の有無について検討を加える必要がある. 顎関節症状の変化の要因としては術後の下顎頭の位置変化が考えられ, また下顎枝の矢状面における角度変化により下顎頭の関節機能面が変化することも1つの要因と推察される. これらにより術前後の下顎頭と関節円板の相対的位置変化が生じることが予想される. 今回われわれは当科において平成6年7月から平成10年12月までの間に顎矯正外科手術を施行した患者のうち著しい顔面非対称を伴わない両側下顎枝矢状分割術あるいは両側下顎枝垂直骨切り術を施行した男性6例, 女性10例の16例を対象とした. 初診時の平均年齢は22.1歳であった. 方法は術前後の側面頭部X線規格写真, およびMRIを用いた. 術前後における両側下顎頭の平均的位置の変化量, ならびに両側下顎枝後縁の接線のSN平面に対する角度変化を術前および術後開口量が40mmを超えた時点でMRIの撮像を行い検討を行った. 結果:下顎頭の位置については下顎枝垂直骨切り術においては前下方へ下顎枝矢状分割術においては後方へ移動する傾向が認められた. 下顎枝矢状分割術において下顎枝後縁接線は術後に反時計方向へ回転する傾向が認められたが下顎枝垂直骨切り術においては一定の傾向は認められなかった. 術前後のMRIの比較においては関節円板位は復位する傾向が認められた. 「質問」名古屋大・医・口外 水谷英樹 1. 顎関節症状の有無により術式の選択をされていますが, 今回の結果は顎関節内の異常(ex. 円板の位置)による影響が大きいと考えますが, いかがでしょうか. 2. IVROで円板が復位する機序について「回答」金沢医大・口腔科 鶴迫有子 1. IVROを顎関節症状を有する者に優先して行っており, 今回はSSROにて新たな症状を発現する症例を認めなかったかどうか, またIVROによる改善の程度および, SSRO同様に新たな症状の発現はなかったかどうかについて調べました. 2. IVROの円板位の改善の機序として, 下顎頭が前方へ移動するために改善するというよりも, 個人的な印象として機械的負荷が解除されるという効果が大きいと思われます.
ISSN:0916-7048