1-A-4.下顎枝矢状分割術前後の硬・軟組織変化の3次元的解析
顎矯正手術における術後顔貌予測には, 従来2次元計測データが主に用いられてきたが, 3次元的な顎骨の移動や対応する軟組織の変化を正確に予測することは困難であった. また, これまでに顔面の3次元的な硬・軟組織変化を詳細に解析した報告は見られない. われわれは, これまで当講座で開発してきた統合3次元計測システム(セファログラム, CT, 歯列模型の3次元データを基準座標系に統合するシステム)から得られた3次元データを用いて, 顎・顔面の計測点の設定と術前後の硬・軟組織変化の分析法について検討を行ってきた. そして, 著しい顔面非対称, 開咬を認めない骨格性下顎前突症患者9例(全例下顎枝矢状分割...
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Veröffentlicht in: | 日本顎変形症学会雑誌 1999, Vol.9 (2), p.82-83 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 顎矯正手術における術後顔貌予測には, 従来2次元計測データが主に用いられてきたが, 3次元的な顎骨の移動や対応する軟組織の変化を正確に予測することは困難であった. また, これまでに顔面の3次元的な硬・軟組織変化を詳細に解析した報告は見られない. われわれは, これまで当講座で開発してきた統合3次元計測システム(セファログラム, CT, 歯列模型の3次元データを基準座標系に統合するシステム)から得られた3次元データを用いて, 顎・顔面の計測点の設定と術前後の硬・軟組織変化の分析法について検討を行ってきた. そして, 著しい顔面非対称, 開咬を認めない骨格性下顎前突症患者9例(全例下顎枝矢状分割術を施行)を対象とし, 下顎面中央部に関しては単回帰分析で予測可能である結果を得た. そこで今回, 下顔面を中心に, 定義した対応点の軟組織移動量を目的変数, 硬組織移動量を説明変数とした単回帰分析をx, y, z成分別に行い, 単回帰分析から得られた回帰係数の分布について, 検討を加えた. その結果, x成分ではオトガイ周囲の回帰係数は1.0前後であったのに対し, 下口唇周囲では0.8前後であった. また, y, z成分では, オトガイ周囲, 下口唇周囲で回帰係数は1.0前後であることが示された. 「質問」九州大・歯・1口外 白土雄司 術前後のCT撮影に伴う被曝量についてはどのように考えておられますか. 「回答」大阪大・歯・2口外 京本博行 CT撮影については患者の承諾を得て撮影可能であった症例を対象としています. 「追加」大阪大・歯・2口外 森悦秀 CT撮影は, 患者の利益と危険性とのバランスの中で考慮されるべきである. 当科では予想データ採取以外に手術シミュレーションなど種々の検討を個別に行っており患者にとって十分利益のあるものと考えている. |
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ISSN: | 0916-7048 |