下顎枝矢状分割術(非経皮的スクリュー固定法)適用例の臨床的検討

下顎枝矢状分割術のスクリュー固定に際し, 従来, ドリルやドライバーなどの手術器具を使用するため, 経皮的にトロカールを挿入する必要があった. この欠点を回避するためにわれわれは, 非経皮的スクリュー固定法を開発し, 第38回日本口腔外科学会総会, 第4回日本顎変形症学会総会にて報告した. 今回, 非経皮的スクリュー固定法による下顎枝矢状分割術を行った症例の臨床成績を検討し, 経皮的スクリュー固定法と比較検討したので報告する. 対象は当科で行った非経皮的スクリュー固定法20例(非経皮群), 経皮的スクリュー固定法21例(経皮群)である. 検討項目は手術時間, 出血量, 術後開口量, 下唇オトガ...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Hauptverfasser: 小林淳二, 吉増秀實, 小宮山高之, 松丸徹治, 桑原一通, 根岸明秀, 明石喜久雄, 塩入重彰, 天笠光雄, 坂本紀代美, 相馬邦道
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:下顎枝矢状分割術のスクリュー固定に際し, 従来, ドリルやドライバーなどの手術器具を使用するため, 経皮的にトロカールを挿入する必要があった. この欠点を回避するためにわれわれは, 非経皮的スクリュー固定法を開発し, 第38回日本口腔外科学会総会, 第4回日本顎変形症学会総会にて報告した. 今回, 非経皮的スクリュー固定法による下顎枝矢状分割術を行った症例の臨床成績を検討し, 経皮的スクリュー固定法と比較検討したので報告する. 対象は当科で行った非経皮的スクリュー固定法20例(非経皮群), 経皮的スクリュー固定法21例(経皮群)である. 検討項目は手術時間, 出血量, 術後開口量, 下唇オトガイ部の皮膚知覚異常である. また下顎の位置(B点, Pogの水平的, Menの垂直的移動距離)および骨格, 歯系の角度を, 術前, 術直後, 術後6ヵ月以上経過時(平均12.8ヵ月)に計測し, 手術による変化と後戻りについて検討した. その結果, 術後の下顎の安定性については両群間に有意差は認められなかった. 以上より, 非経皮的スクリュウー固定法は皮膚切開が不要という長所を有するほかは, 経皮的スクリュウー固定法と同様の成績が得られ, 有用な術式であることが確認された. 質問 札幌医大, 口外 田中信幸 口内法にこだわるならば, プレート固定でもよいと思いますが, スクリュー固定, プレート固定に関して, 先生のお考えを教えて下さい. 回答 東医歯大, 1口外 吉増秀實 固定性については, スクリュー固定もミニプレート固定も同様と考えている. 本法は経皮的スクリュー固定法を発展させたものであり, 現段階では特にミニプレート固定に変更する必要性を感じていない. 質問 福岡医療短大 升井一朗 発表された口内法によるネジ止め固定装置(ハンドピース)が薄くなっているので, 下顎下縁でもネジ止めが容易に行えますか. 回答 東医歯大, 歯, 1口外 吉増秀實 アングラースクリューイングインストゥルメントのヘッドの厚みは6mmであり, 下顎枝のどの部位にでも非経皮的にスクリュー固定が可能である.
ISSN:0916-7048