下顎後退症に対して全上下顎同時移動術後の長期予後(第3報)
(目的)顎矯正外科の中で良好な結果を得ることが比較的難しい症型は, Class II, 下顎後退症, 前後的に急峻な咬合平面を有する症型である. このような症型について, 多数症例を用いた統計的な報告は本邦では極めて少ない. (研究方法)今回われわれはClass II, 下顎後退症で, 全上下顎同時移動術を行い, 上顎骨の後方ないし上方移動と, 同時に前後的に急峻な咬合平面の修正および下顎骨の前方移動を施行した20症例について, T1術前, T2術直後, T3術後半年, T4長期経過の側面頭部X線規格写真, 軸位頭部X線規格写真, 顎関節X線規格写真の分析を行った. いずれの症例も, 術前術後...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | (目的)顎矯正外科の中で良好な結果を得ることが比較的難しい症型は, Class II, 下顎後退症, 前後的に急峻な咬合平面を有する症型である. このような症型について, 多数症例を用いた統計的な報告は本邦では極めて少ない. (研究方法)今回われわれはClass II, 下顎後退症で, 全上下顎同時移動術を行い, 上顎骨の後方ないし上方移動と, 同時に前後的に急峻な咬合平面の修正および下顎骨の前方移動を施行した20症例について, T1術前, T2術直後, T3術後半年, T4長期経過の側面頭部X線規格写真, 軸位頭部X線規格写真, 顎関節X線規格写真の分析を行った. いずれの症例も, 術前術後の矯正が行われ, dental compensationを修正をした後, 同一術者により手術が施行され, 同一の骨接合術(上顎にminiplate, 下顎にmini lag screw), 下顎頭を下顎窩の後上方の安定した位置に誘導した. (結論)(1)下顎前進量の後戻り比率は, 7.4%であった, このうち約半分が6ヵ月以内に生じていた. (2)手術によるpoint Bの前進量が大きいほど後戻りが大きかった. (3)術前形態, 骨片移動量, 下顎頭の下顎窩への位置付けなどが重要な要因と考えられた. 質問 広島大, 歯, 矯正 丹根一夫 1. 上下顎骨の移動量の決定方法は. 2. Maxillary impactionによる下顎骨のaulorationをどのように考慮しておられるか. 回答 東京歯大, 2口外 鶴木隆 骨切り骨片の移動可能距離は症例により異なると考えられますが, われわれは各手術術式について大略の移動可能距離を決めてあり術前設計を行っている. 下顎の前方移動距離は最大15mm程度である. Le Fort I型骨切り術の後方移動は最大3~4mm, 前方部上方移動は5mm程度である. 下顎骨切り次いで上顎の骨切りと移動し骨接合を行い, 下顎で想定した位置までfree mobilizationする. 下顎骨内側に付着する軸組織すなわち内翼筋靭帯, 骨膜, 舌骨上筋群の剥離を徐々に行い, 無理なく移動がひきたちover correctionの下で顎間固定し, 下顎移動に骨貫通ネジで骨接合している. |
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ISSN: | 0916-7048 |