顎変形症を伴った顎関節症に対する顎変形手術と鏡視下円板縫合・固定術による治療
顎関節症の誘発要因として, 口腔悪習癖, 外傷, 咬合異常, 顎変形などが, 考えられている. 一方, 顎関節症発症の一要因である咬合異常に伴う顎変形の治療としては, 通常, 顎骨骨切り術が単独で行われているが, 顎関節症状が顎変形, 咬合不全との関与が考えられる症例については, 画像所見等により, 円板の変形, 位置異常などの関節軟組織の障害をきたしている症例が少なくない. これらの症例に対し, 当科では, 顎関節内病態を考慮し, 関節軟組織障害の回復を目的に, 顎関節鏡視下円板縫合, 固定術を施行し円板位, 円板の厚みの改善をあわせておこなっており, 術後, 顔貌の変形, 咬合状態の改善と...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 顎関節症の誘発要因として, 口腔悪習癖, 外傷, 咬合異常, 顎変形などが, 考えられている. 一方, 顎関節症発症の一要因である咬合異常に伴う顎変形の治療としては, 通常, 顎骨骨切り術が単独で行われているが, 顎関節症状が顎変形, 咬合不全との関与が考えられる症例については, 画像所見等により, 円板の変形, 位置異常などの関節軟組織の障害をきたしている症例が少なくない. これらの症例に対し, 当科では, 顎関節内病態を考慮し, 関節軟組織障害の回復を目的に, 顎関節鏡視下円板縫合, 固定術を施行し円板位, 円板の厚みの改善をあわせておこなっており, 術後, 顔貌の変形, 咬合状態の改善と同時に顎関節症状の改善がみられている症例が多い. これらの術後の経過より, 顎変形に関連した顎関節症状の発現としては, 顎関節の咬合負荷および下顎頭適合の差による関節隙の幅の狭小化, 関節腔の圧接, および円板の変形, 転位などの関節軟組織の障害が示唆された. 今回, われわれは, 長期経過観察症例を含めてその概要を報告する. 質問 神戸市立中央市民病院, 口外 古谷昌裕 顎関節症を伴う, 顎変形症(特に下顎前突)に対する手術法としては, すでにその効果が確立されているIVROを選択せず, SSRO, 円板復位術を併用された理由はなにか. 回答 山梨医大, 口外 福田敏博 顎関節内病態の改善を考慮し, 鏡視下円板縫合, 固定術により円板の厚みを増加させると同時に下顎枝矢状分割を施行し下顎頭の位置の修正を行っています. 質問 九州大, 歯, 2口外 堀之内康文 顎変形症手術と関節の鏡視下手術を同時に行う必要性があるのでしょうか. 骨切り術後に関節症状が改善する症例も多くみられることを考えれば暫く経過観察してからでも良いのでないでしょうか. 回答 山梨医大, 口外 福田敏博 術前に顎関節CT二重造影検査にて, 円板の変形等, 関節内病態の変化の重度なものに対して, 同時に手術を施行しています. 質問 山形大, 医, 歯口外 柴田考典 縫合固定術したものとしないもので, した方が成績がよかったというデータがあるか. 回答 山梨医大, 口外 福田敏博 今回は, 矢状分割のみ施行した症例と鏡視下円板縫合, 固定術を併用した症例の比較は行っていません. |
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ISSN: | 0916-7048 |