6年間にわたり3回のreduction genioplastyを要した1例
顎変形症治療の成否を左右するものとしては, 適確な診断と有効な治療法の選択, ならびに長期にわたる慎重な経過観察が重要である. 手術回数と侵襲を極力少なくして最も望ましい結果が得られるよう, 口腔外科医は努力すべきであると考えられるが, 時として予期せぬ再発により複数回の手術を余儀無くされることがある. 今回, われわれは下顎前突を主訴とする若年者の治療に際して6年間にわたり3回のreduction genioplastyを要し, 難渋した1例を経験したので報告する. 患者は初診時年齢12歳の女性で, 下顎前突を主訴に当科に来院した. この時すでに骨格性下顎前突症と診断され, 16歳以後の外科...
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Zusammenfassung: | 顎変形症治療の成否を左右するものとしては, 適確な診断と有効な治療法の選択, ならびに長期にわたる慎重な経過観察が重要である. 手術回数と侵襲を極力少なくして最も望ましい結果が得られるよう, 口腔外科医は努力すべきであると考えられるが, 時として予期せぬ再発により複数回の手術を余儀無くされることがある. 今回, われわれは下顎前突を主訴とする若年者の治療に際して6年間にわたり3回のreduction genioplastyを要し, 難渋した1例を経験したので報告する. 患者は初診時年齢12歳の女性で, 下顎前突を主訴に当科に来院した. この時すでに骨格性下顎前突症と診断され, 16歳以後の外科的矯正による改善をすすめられた. 17歳時に下顎枝矢状分割法, セラミック, スクリュー固定ならびにreduction genioplastyを施行したが, 2年後に後戻りによる片側性交叉咬合とオトガイの突出感を認めたため下顎前歯部歯槽骨切り術と2回めのreduction genioplastyを施行した. その後, 通院を一時中断したが4年後に再来院した際には咬合の後戻りは認められないものの, オトガイ部の著しい突出が再発しており, 3回めのreduction genioplastyを施行した. 最後の手術から2年を経過しているが現在のところ再発は認めていない. 質問 神戸市立中央市民病院, 口外 古谷昌裕 オトガイ部の骨の増大はオトガイ形成の手術による刺激による反応性の骨添加と考えられるか. 回答 京都大, 医, 口外 横江義彦 Reduction genioplastyとしては単純な削合, 水平骨切り等があると思いますが, 今回の症例では1回目3回目は水平骨切りによる切除を, 2回目は骨削除を行いました. 2回目の手術以後のオトガイ部骨の伸長があると思われますが, 手術侵襲による改造機転が悪影響を及ぼしているとは思われません. 質問 波松医大, 歯口外 式守道夫 他のCTはどの画像診断で, 両下顎頭を精査されましたか. 回答 京都大, 医, 口外 横江義彦 CT, MRなどの画像での診断はいたしておりませんが, 単純X線写真における形態異常は認めておりません. 質問 昭和大, 歯, 1口外 道健一 下顎頭にシンチで集積がみられたとのことですが, 形態変化はありませんでしたか. 回答 京都大, 医, 口外 横江義彦 X-ray上ではみられない. |
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ISSN: | 0916-7048 |